ソーシング(調達契約)と調達・購買システムの契約管理について解説

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ソーシング(調達契約)と調達・購買システムの契約管理について解説

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調達部門が実施するソーシングとは、企業が必要な物品やサービスの仕様や取引条件を明確にし、最も適切な条件を得るために取引先の選定や交渉を行う重要なプロセスです。調達部門は、仕入先の選定から契約締結までの一連のプロセスを担当しています。

具体的には、以下のような手順でソーシングを実施します。
  • 要件定義
    調達部門は、必要な物品やサービスの仕様や数量、納期、価格、支払条件などを明確に定義します。
  • サプライヤー選定
    調達部門は、要件に合致するサプライヤーを選定します。この際には、サプライヤーの信頼性や技術力、価格競争力などを考慮します。
  • 交渉
    調達部門は、サプライヤーとの交渉を行い、最適な条件を得ます。この際には、価格や納期、品質などについて、双方が納得できるように調整を行います。
  • 契約締結
    調達部門は、交渉がまとまったら、契約書を作成し、サプライヤーと契約を締結します。以上の手順を踏むことで、調達部門は、企業にとって最適な条件で物品やサービスを調達することができます。また、調達部門は、仕入先とのトラブルを未然に防ぐためにも、重要な役割を担っています。

本記事では、契約締結の契約ライフサイクル管理について解説します。電子契約を適切に実施することで、業務効率化、ガバナンス強化、リスク低減、環境負荷低減など様々なメリットが期待できます。


契約書管理

締結した契約書の管理は企業活動をするうえで、欠かさない業務のひとつです。企業規模を問わず契約書は作成されるため、契約書管理は全ての企業が適切に行わなくてはいけません。また契約書管理は、リスクマネジメント業務効率化の観点からも重要な業務といえるでしょう。

契約書の保存方法
企業活動を行う上で必ず締結する契約書ですが、締結時だけでなく契約期間の確認や何かトラブルが起こった時の対応のためにも効率的な参照ができるような管理が必要です。

契約書は紛失を回避するために一元管理や部署ごとに管理する方法があります。中小企業では本部の文書管理部門が担当しているケースが多いでしょう。契約書は経理や税務に関連するため、一般的に経理部や法務部、総務部が担当します。 

契約書の管理方法にはいくつかあります。基本的には「一元管理」「分散管理」かの2つに分類されます。 

A. 一元管理

1. 本社の文書管理部門 

契約書の管理方法の最もスタンダードなモデルは、本社の文書管理部門での集中管理です。契約書の確認、押印対応、税務対応などの業務関係から、総務・財務・法務のいずれかの部門で管理するケースが多いです。 一か所で集中管理をするため、契約書原本へ素早くアクセスできるメリットがあります。 しかし、本社にすべての契約書を保管するため、保管スペースが必要になります。事業規模や契約締結の件数が一定以上になると、保管スペースが大きくなり保管コストの増加がデメリットです。 

2. シェアードサービス部門 

複数のグループ会社がある企業などが、シェアードサービス部門で契約書管理をするモデルもあります。シェアードサービス部門は、複数のグループ会社を保有する企業が効率化のために、事務などの業務を一か所にまとめた部門のことです。 

3. 外部倉庫 

都市部に本社やシェアードサービス部門がある場合、契約書の保管スペースのコストが高くなってしまいます。そのため、外部倉庫を契約書の保管スペースとして利用するモデルもあります。企業によっては、倉庫に保管だけでなく、契約書の有効期限管理などの業務を外部委託することもあります。 デメリットは、契約書原本へのアクセススピードが落ちることです。 

B. 分散管理

契約書管理を各部署で事業所ごとに、分散管理するモデルもあります。契約書締結の権限が部門に委託されている企業では、分散管理になるケースが多くなります。 分散管理の場合は、各部門に契約書管理担当を設ける必要があります。そのため、契約書管理が契約書管理担当の処理能力に依存することになります。 

一元管理を行う場合は契約管理規定で定められている管理方法に従い、台帳の作成から責任の明確化が必要です。社内の文書データベースから簡単に検索できるように整備しておくと、契約書関連の業務効率化につながります。 一方で、大量の契約書が部署に集中するため、保管場所の確保に対応しなければなりません。契約書の保管が困難な企業のなかにはレンタル倉庫を利用するケースもありますが、必要な契約書の参照には手間がかかるデメリットがあります。 

契約の締結権限が与えられている部署で管理する場合は、契約書管理を担う人材の配置が求められます。本部による一元管理よりも契約書の照会が容易になるメリットがあります。もし他部署の書類が必要になったときは各部署の管理担当者との連携が求められます。ただし、契約書関連の管理状況は担当者の処理能力に依存する可能性があるため、業務の属人化には注意が必要です。 

また、部署ごとに管理方法が異なる場合は、原本の紛失と共通の相手方との重複契約のリスクが考えられます。万が一、トラブルが発生した際に契約内容に基づいた対応が求められるので、いつでも参照できる状態にしましょう。

紙の契約書を保存する際は、クリアファイルなどで傷つけないように管理する必要があります。契約書の原本に穴を空けてリングファイルで保存すると、文字の欠落や印影の確認が難しくなる可能性があります。さらに改ざんを疑われてしまうリスクを防ぐために、契約書の管理は丁重に行うべきです。 

一般的な契約書の保存には2つの方法があります。相手方の名称を五十音順もしくはアルファベット順に整理する方法と、契約締結後に管理担当者が受け取った順番に綴じる方法です。五十音順で保存する場合は契約書をあとから確認したいときに便利です。しかし、管理担当者にとっては契約書の出し入れを行うため、負担に感じるデメリットがあります。 

一方で契約締結を行った順番に保存する場合は、契約書を受け取った順に保存するため、管理担当者の負担が少なくなるメリットがあります。ただし、あとから探す手間が増えるので、見つけやすくするために各ファイルごとの台帳管理は徹底しなければなりません。 

また、契約書の紛失や改ざんを防止するために保管場所のルールを定めておきましょう。ルールがない状態では、取引先とのトラブルで企業全体に影響を及ぼすリスクがあります。契約書の保存方法や保管場所から持ち出すタイミングを定めておくと、トラブルの未然防止になります。必要に応じて契約書を簡単に参照できる状態が望ましいでしょう。 

ほとんどの企業では文書管理規定で保存期間を定めています。契約期間が経過した契約書は効力を失うため、廃棄しなければなりません。契約書は新たな契約ごとに次々と増えていくので、ライフサイクル管理が行き届いていない状況では保管場所に困る可能性があります。なかには保存ルールを定めているのにもかかわらず、保存期間まで把握できていないケースも少なくはありません。 

社内で契約書保存の効率化を図るためには保存方法の工夫が必要です。
契約書の保存において効率的な保存方法は以下のとおりです。
 

大分類と小分類に分ける
必要な契約書を見つけやすくするために分類します。具体的には契約先の名称を五十音順に並べたり、年度別に分けたりする方法です。契約書の数が少ない場合に有効ですが、数が増えていくにつれて探す手間は増えるデメリットがあります。この方法を採用する場合は年度別に契約書をボックスファイルで保存し、個別の契約書を小分類としてクリアファイルに綴じましょう。
個別にインデックスをつける
色分けができるシールを活用すると、視覚的に必要な契約書を見つけやすくなります。複数の契約書をリングファイルで綴じる企業も多いですが、欲しい契約書を見つける手間がかかるため非効率的です。契約書をクリアファイルに入れた状態でインデックスをつけるのがおすすめです。 

契約書管理台帳を利用する 
契約書を整理整頓します。ファイリングを行ってから契約書の内容を確認できる管理台帳がおすすめです。保管場所で契約書の原本を探す目安になります。また、契約書の紛失や盗難に気がつきやすいメリットがあります。

システムを導入する
契約書保存において効率化を実現できる手段として有効です。契約書のデータ化により、保管場所や保存期間の管理が容易になります。クラウドで一元管理ができるため、検索機能で目的の契約書を見つけられます。なかにはデータ化された契約書を相手方に電子署名と電子印鑑を埋め込んでもらうだけで契約完了する企業も少なくはありません。契約書保存や電子契約のクラウド化は収入印紙や印刷代の削減と管理担当者の負担軽減が期待できます。 

管理担当者は現場の意見を取り入れながら最適な保存方法を採用しましょう。 

契約書管理の注意点

契約書を管理する上で、注意するポイントは以下のようなものがあります。
ここでは、契約書管理上の注意点を紹介します。
 

1. 契約書原本に穴をあけたり、製本をほどかない 

契約書原本は、傷つけないように保管することが基本です。それは以下のような理由があります。 

・印影の確認ができなくなったり、文字が欠損するなどで内容の解釈に影響を及ぼすリスクがある。 

改ざんを疑われるリスクがある。 

これらのリスクを回避するためにも、契約書原本は丁寧に扱いましょう。 

2. 契約書の保管場所の安全性を確保する 

契約書の保管は、施錠可能なキャビネットに保管することが一般的です。しかし、それだけでは安全性が確保されたとはいえません。 

地震、火災、水害などの災害リスクや悪意ある侵入者による盗難などのリスクが考えられます。 

これらのリスクを事前に検討して、対策をすることが重要です。 

3. 五十音(アルファベット)順または契約締結順に、契約書を綴る 

契約書原本は、契約相手の企業名を五十音(アルファベット)順もしくは契約締結順のどちらかに綴るようにしましょう。 

五十音(アルファベット)順のメリットは、企業名の単位で契約書がまとまるため、締結後に契約書を確認したい場合に見つけやすいことです。 

契約締結順のメリットは、契約書管理担当者が契約書を受け取った順で綴るだけなので、契約書管理担当者の負担が軽くなることです。しかし、契約書の検索性が落ちるため、契約書管理台帳を作成するなどの対処が必要になります。 

4. スキャナ保存と原本廃棄の可否 

契約書の保管や管理を効率化するために、契約書をスキャナ保存して、電子データで管理する方法もあります。 

この場合、契約書原本をすべてスキャナ保存してしまえば契約書原本を見る必要はなくなると思うことでしょう。そのため、契約書原本の破棄を考える方も多くいると考えられます。 

紙媒体の契約書原本をスキャナ保存して廃棄をする場合は、電子帳簿保存法の要件を満たす必要があることに注意が必要です。また裁判において、契約書原本が無いことで裁判が不利に働くリスクもあります。 

参照:国税庁 電子帳簿保存法が改正されました(令和3年5月) 

契約書の具体的な管理業務

契約書管理の具体的な業務としては、取引に関する契約書および関連書類・情報、契約書の有効期限などを総合的に管理します。数百・数千枚におよぶ契約書を管理する方法としては「エクセルを使用した契約書管理」「システムを使用した管理」の2つに分類されます。

エクセルを使用した契約書管理には、さまざまなデメリットがあり企業の契約書管理担当者の悩みのタネにもなっています。

契約書の管理方法には「所轄する部門・管理者の選定」「契約書の全体把握(棚卸し)」「契約書管理台帳作成」「契約書管理台帳への入力と契約書の保管」「契約書管理のルール作成」といった業務フローがあります。ここでは契約書の管理方法について、注意するポイントなど具体的に紹介します。

 1.所轄する部門・管理者の選定

最初に契約書管理を所轄する部門や管理者の選定をします。このとき契約書管理を所轄する部門と管理者の、業務権限や責任の範囲を明確にしましょう。明確化により契約書の一元管理が可能となり、情報管理の面からも責任の所在が把握しやすくなります。

.契約書の全体把握(棚卸し)

社内にある契約書の全体を把握して、管理すべき契約書を決めていきます。そのためには、各部署の契約書の種類や枚数の把握が必要になります。また各契約書の保管期間なども調査して、必要によっては保管期限を新たにルール化しましょう。

契約書の数が多く業務の効率を落とす可能性がある場合は、必要な契約書や有効な契約書の絞り込みなどをして、優先順位を決めると効率化できます。

また定期的に契約書の棚卸しをして、管理する契約書の仕分けや廃棄をしましょう。これにより、契約書を管理する手間の削減が可能となります。

 3.契約書管理台帳作成

管理する契約書は一覧管理ができるように、契約書管理台帳を作成します。ここでは、契約書管理台帳に記載しておきたい項目と記載要領を解説します。


・契約書タイトル
 契約書のタイトルを記載します。 
・契約書番号
 契約書番号の付与により、整理がしやすくなります。 
・契約書の種類
 契約書の種類(売買契約・ライセンス契約 等)を記載します。
・会社名
 契約する会社名を記載します。
・契約内容
 契約書内容の要約を記載します。 
・契約金額
 契約金額を記載します。 
・担当部署
 担当する部署名を記載します。 
・担当者
 契約担当者の名前を記載します。 
・契約書原本の郵送日(電子契約の送信日)
 契約書原本の郵送日や電子契約の送信日を記載します。 
・原契約
 「最初に締結した契約」=「原契約」を記載します。 
・契約開始日
 契約有効期間の開始日を記載します。 
・契約終了日
 契約有効期間の終了日を記載します。 
・機密保持条項など特定の条項の有無
 特定の条項(機密保持条項など)の有無を記載します。 
・自動更新の有無および更新日
 自動更新の有無と更新日を記載します。 
・保管期限
 契約書の保管期限を記載します。
・契約解除通告期限
 自動更新契約の場合、解約時の通告期限を記載します。
・有効・無効
 契約書が有効か無効であるかを記載します。 


これらの項目から、自社の業務に合った項目を用いて契約書管理台帳のテンプレートを作成していきます。

4.契約書管理台帳への入力と契約書の保管

テンプレートを作成した契約書管理台帳に、項目ごとに情報を手作業で入力をしていきます。
また契約書の保管作業も行います。契約書は整理番号に沿って、キャビネットなどに保管しましょう。契約書をデータ化して保管する場合は、スキャン作業後にファイルサーバーに保管します。ファイルサーバーに保管する際には、契約書ファイル名を整理しやすいようにルール化するとよいでしょう。
契約書管理台帳には、新しく契約した契約書が追加・更新されます。そのため追加・更新の都度、契約書を保管する作業が必要になります。情報が追加される場合もあるため、常に整理された状態にしましょう。

5.契約書管理のルール作成

契約書管理の方法をルール化して、関係者に周知徹底をします。契約書管理のルール作成をしないと、情報管理・作業効率・リスク管理の観点から好ましくない状況に陥る可能性があります。


契約書をExcelで管理する問題点

契約書のエクセル管理には、いくつかの問題点があります。ここでは、契約書のエクセル管理における代表的な4つの問題点について解説していきます。

  • 契約更新や期限の管理における問題点
    エクセル単体では、ダッシュボードでの自動表示やアラート通知の機能ができないため、契約更新や期限の管理がやりにくい問題点があります。契約更新や期限の管理をするためには、検索をして目視で確認をする必要があります。そのため契約更新や期限の通知の確実性は下がります。契約更新の作業が煩雑になりがちになるため、ヒューマンエラーのリスクもあります。
  • セキュリティ対策における問題点
    エクセルでの契約書管理は、セキュリティの面からも問題点があります。データ共有のしやすさとセキュリティを両立することが、契約書管理では重要になります。社内の重要機密として扱われる契約書を管理するには、複数のメンバーでデータの共有が必須です。また最高機密データであるため、高度なセキュリティ対策が要求されます。
    エクセルの場合、パスワードなどでセキュリティ対策ができますが、一方で複数人でのデータ共有が難しくなります。また、データ共有を優先してしまうと、改ざん情報漏洩のリスクが高まることも問題です。エクセルは、契約書管理で求められるデータ共有のしやすさとセキュリティ対策の両立が難しい問題点があります。
  • 一元管理がやりにくい問題点
    エクセルの契約書管理台帳は、一元管理がやりにくい問題点があります。エクセルの契約書管理台帳は機能的に、契約書本体と関連情報(契約書タイトル・契約書番号・契約開始日・保管期限など)を紐づけて一元管理ができません。契約書本体を閲覧するためには、キャビネットやファイルサーバーなど保管場所にアクセスする手間がかかります。
    契約書管理の業務では、一元的に契約書と関連情報が見やすいことが重要です。一元管理ができないと管理やチェックの漏れが生じるリスクが高まります。エクセルの一元管理がやりにくい問題点は、契約書管理における十分な体制の構築の障害になる可能性があります。
  • 入力の手間がかかる問題点
    エクセルによる契約書管理の場合、基本的にデータは手入力になります。手入力は手間と時間がかかるうえに、抜け漏れや不正確な情報入力などのヒューマンエラーのリスクが高まる問題点があります。また契約書の電子化のケースでは、契約書のファイル名の設定やファイルサーバーの整理保管などの手間が必要です。契約書の枚数が膨大な場合は、手入力作業の工数が比例して多くなります。手入力作業を外注するケースでも、外注コストが大きくなります。
    手入力作業量によっては、外注費が契約書管理システムを導入するコストよりも高額になる場合もあります。またルールの見直しや改訂を定期的に行うことにより、契約書管理の改善に務めることも重要です。作成したルールは、文章・マニュアル化をして関係者全員に伝える必要があります。研修や説明会を開いて、関係者全員に周知徹底しましょう。
 

契約書機能のメリット

契約書管理機能には、エクセルと比較して主に以下のようなメリットがあります。ここでは、これら4つのメリットについて解説をします。

  • 契約更新・期限の管理
    契約更新・期限の管理がしやすい特徴があります。契約更新・期限のタイミングで自動で通知機能がある契約書管理機能なら、期限切れなどの回避が可能です。これらの機能は、エクセルでは難しい仕組みになります。標準的な契約書管理機能なら、契約期限を迎える前にアラートを出すことが可能です。また任意の期間でアラートを出す設定もできます。契約書更新のトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
  • セキュリティ対策とデータ共有のしやすさ
    セキュリティ対策とデータ共有のしやすさがあります。エクセルが苦手とするセキュリティ対策とデータ共有のしやすさも、契約書管理機能ならば容易です。クラウド型システムであれば、インターネットがつながる場所であればどこでも情報にアクセスできます。また契約書と関連情報の共有も容易にできます。またアクセス権限の設定も可能なため、不正アクセスを防ぐことも可能です。
  • 一元管理ができる
    エクセルの契約書管理では、クセルシートと契約書が別々に保管されます。契約書管理機能では、契約書・関連情報などをダッシュボード上で一元管理が可能です。そのため業務の大幅な効率化ができます。この一元管理はエクセルと比較すると、大きなメリットになります。
  • 管理台帳入力の効率化
    契約書管理機能に自動入力機能がある場合は、契約書管理台帳への入力作業の手間が大幅に削減可能です。自動入力機能とは、クラウドにアップロードした契約書画像をシステムが自動的に文字認識して、契約書管理台帳に自動入力する機能です。手入力ミスによるリスクを減らすメリットがあります。

契約書のペーパーレス化に関する法整備

昨今の世界的なデジタル化の潮流の中で、契約書のペーパーレス化に関しても法整備が進められています。従来は、契約書は基本的に紙に印刷し記名捺印することでしか民事訴訟法上の効力が認められていませんでした。 しかし、電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)が整備され、電子契約書への電子署名やタイムスタンプの付与によっても、書面による契約書と同等の法的効力が保証されるようになりました。保存期間については、紙の契約書と同様に電子契約書も5~10年間の保存が義務付けられています。ただし、その方法や形式は改ざんや消失が起きないよう厳しく規定されており、以下4つの条件を満たさなければなりません。

  • 見読性:保存した文書は表示・印刷などにより内容を確認できるようにすること
  • 完全性:本人性や非改ざん性を保ち、保存期間中に文書が消失しないこと
  • 機密性:文書の漏洩や盗難などを防止する仕組みを備えること
  • 検索性:該当の文書を検索し探し出せるようにすること

ただし、2022年1月の電子帳簿保存法の改正により事前承認制度の廃止や検索要件の緩和がされたことで、以前よりも電子保存しやすい環境が整いました。そのため、多くの企業で契約管理システムの導入により業務効率化が進められています。

契約書のペーパーレス化にはコピー用紙代や郵送代等を節約できることでコスト削減を進められるというのはもちろんのこと、それ以外にも以下のような4つのメリットがあります。

1.柔軟な働き方への対
紙の契約書に記名捺印をする従来の契約締結方法では、本人の手元に契約書がないと、契約締結が行えませんでした。契約の締結から保管までのペーパーレス化実現により、インターネットにつながる環境さえあれば、どこからでも契約書に係る業務を進められるようになります。契約書に捺印するためだけに社員が出社する必要がなくなり、企業のテレワーク導入を推し進めます。

2.契約締結の迅速化
電子契約では専用のツールで契約書を送信し、双方で電子署名を付与するだけで契約締結が完了します。紙の契約書の郵送や返送などに必要な時間を節約でき、迅速な契約業務が可能です。また、契約管理システムの中には、契約書に記載漏れ等の不備があれば、画面上で警告を出すことが可能なものもあり、間違った手続きの進行を防止することが可能です。

3.コスト管理がしやすい
紙の契約書の場合、収入印紙代や郵送代、契約書の破棄費用など、契約件数により変動するため、契約書にかかるコストの管理が難しく、削減もしづらいという問題がありました。契約管理システムは、導入費用や月額利用料がある程度あらかじめ設定されているため、契約書関係の業務に毎年どの程度のコストが発生するか容易に把握できます。ペーパーレス化すれば、毎月発生するコストを把握でき、費用対効果を得られなければ他のサービスに乗り換えることも可能です。

4.安全性の向上
セキュリティ認証を受けた契約管理システムを導入し、ペーパーレス化に必要なセキュリティ対策を施せば、契約書の紛失や流出などのリスクを抑えられ、ガバナンスの強化にも繋がります。さらに、契約書によっては適宜更新が必要なものもありますが、契約管理システムの機能を活用して、事前に更新のタイミングを知らせてくれるアラートを設定することで、更新を忘れる心配もありません。契約書のペーパーレス化は、紙の契約書管理につきまとう、処理漏れや盗難、火災・災害による消失などのさまざまな不安要素を排除できます。

様々な企業で電子契約が推し進められているとはいえ、まだまだ対応しきれていない企業も多くあります。そのため、契約先の企業が電子契約に対応しているか確認しなければなりません。また、社内のオペレーションを変更する必要もあるため、正しいフローで契約を管理できるよう環境整備を進める必要があります。そのため、システムを導入する際には、規格に適合していることはもちろん、使いやすさやサポート体制も重要な観点となってきます。このような点に留意して、契約書のペーパーレス化を推進ください。

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電子契約

近年、国を上げたDXの推進によって、電子契約の普及が進んでいます。しかしながら、言葉としては知っていてもその実態がわからず導入にためらいを感じているケースも多いのではないでしょうか。

電子契約とはデータで作成した契約書を相手方に送付し、電子署名と電子印鑑を埋め込んでもらうことで締結完了とする契約です。従来の紙の契約書では直筆による署名と印鑑の押印が必要ですが、クラウド上で完結できるメリットは大きいでしょう。紙の契約書は郵送で収入印紙や郵送料が必要なのに対し、電子契約は郵送にかかるコストが不要です。 

社内の倉庫で契約書の原本を保管する場合は、紛失や改ざんのリスクに注意しなければなりません。さらに契約書の取り出しの手間と災害時には復元不可能な状態になるため、現物保管にはデメリットが多く存在します。しかし、電子契約を導入すると課題を一気に解決できるため、セキュリティ対策やコンプライアンスの強化におすすめです。 

また、現時点では電子契約について明確な定義はありませんが、業務のデジタル化を進める企業ではすでに導入実績があります。日本政府はデジタル庁を創設し、本格的にペーパーレス化に向けて取り組みが進められています。紙で作成されていた契約書がすべて電子化できれば、手続きや管理の負担軽減とコスト削減に期待できます。 

近年の働き方改革の推進と業務のデジタル化が進められているなかで、電子契約の導入と検討する企業が増加しています。しかし、電子契約は最近始まったばかりではありません。電子契約に関する法律は20年以上前から存在します。 

電子帳簿保存法(1998年7月施行) 
電子帳簿保存法はWindows98の発売年に今後のペーパーレス社会に対応するために制定されました。会計ソフトで作成した帳簿や契約書をデータ保存することで管理にかかる負担軽減を目的としています。

電子署名法(2001年4月施行)
電子署名法は電子データで契約する際に書面契約と同等の効力を与えるために電子署名法が制定されました。電子認証局と時刻認証局が発行する電子証明証を契約書に埋め込むことで法的効力を持たせています。 

IT書面一括法(2001年4月施行)
IT書面一括法は一定の条件を満たした場合に、契約書などの書面の交付や提出を電子メールで行うことを認める法律です。従来では郵送での提出が求められていた書類を電子メールやFAXで送信ができるように認めています。最近では、電子ファイルで書類のアップロードが可能になったことで手続きの負担が軽減されています。

e文書法(2005年4月施行)
e文書法では紙による保存が義務付けられていた書類を電子データとして保存を認めるために制定された法律です。電子化が認められている書類は契約書やカルテなど多岐に渡ります。紙の書類は傷ついたり、紛失したりするリスクがあるため、管理の手間や保管場所の確保が不要になるメリットがあります。

近年の新型コロナウイルスの流行による感染拡大でリモートワークが推進されていますが、書類への押印による出社が問題視されるようになりました。日本の企業には役職に就いている人物の実印を求める習慣があるため、「脱ハンコ」を目指すために電子契約サービスが注目されています。 

電子契約の仕組みは、契約書の電子データを当事者同士でやりとりを行い、電子署名や電子印鑑を埋め込むことで締結完了とされています。電子契約による取引において真実性や非改ざん性を担保するには電子署名が有効です。 

実際に電子署名法 第21項では以下のように定義されています。 

この法律において電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。 

一:当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。 
二:当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。 

電子署名では「秘密鍵」とよばれる暗号化されたキーを相手方に送り、受け取り側は誰でも簡単に入手できる「公開鍵」でデータを読み取ります。第三者に読み取られるリスクがないので、データ上の安全性を確保できるわけです。 

さらに第三者機関の認証局が本人確認を行うため、真実性を証明できています。また、本人による電子署名が行われた証拠として電子証明書とタイムスタンプが利用されているため、非改ざん性も担保しています。

電子契約のメリット

従来の紙媒体の契約書などを電子署名サービスに切り替えることにより、以下のようなメリットがあります。 

1. ペーパーレス化による印刷・郵送コストの削減 

電子署名サービスを利用することで、契約書などの書類のペーパーレス化が可能となります。ペーパーレス化により、書類の印刷・製本コストが、またオンライン上でやりとりをするため、書類の郵送コストも削減できます。 

2. 印紙代の削減

紙媒体の契約書では、契約金額に応じて印紙税が必要であり、収入印紙を買いに行ったり、保管・管理をする手間もかかります。その点、電子署名サービスを利用した契約ならば、印紙税の課税対象になりません。 

1000万円を超える契約金額では、数万円の印紙税が必要になります。そのため、契約金額が大きいほどコスト面でのメリットが大きくなります。 

3. 契約締結のスピードアップ

紙媒体の契約書の場合、製本→捺印→取引先に契約書を送る→取引先から契約書を返送してもらう、というステップが必要になります。そのため、契約には手間と時間がかかってしまいます。その点、電子署名サービスを利用した場合は、契約はシステム上で全て完結します。契約に関わる手間が減ることで、契約締結のスピードアップ化が可能となります。契約締結のスピードアップ化により、契約や売上をほぼリアルタイムで管理できることは、電子署名サービスを導入する企業にとって大きなメリットになることでしょう。

4. 社内の承認業務の効率化

紙媒体で契約書などの重要書類を取り扱う企業では、社内の稟議・決裁のために部署間を回る必要があります。電子署名サービスでは、システム上で社内承認ができるため、このような手間がなくなり効率化するメリットがあります。

5. コンプライアンスの強化

電子署名サービスは、契約書などの電子文書をセキュリティ対策されたシステム上で管理できます。また電子署名とタイムスタンプ機能により、「いつ・誰が・何に」合意したかが記録されます。情報内容の改ざんも困難なため、企業のコンプライアンス強化につながります。

6. リモートワークのスムーズな運用・推進

電子署名サービスを利用することで、リモートワーク在宅勤務での契約業務が可能になります。場所にとらわれない契約業務ができることで、リモートワークを推進する効果もあります。

7. 契約書などの文書作成の効率化

電子署名サービスには、数多くの書類テンプレートを登録できる機能がある場合もあります。テンプレート機能を活用することで、文書作成の手間を減らすことで効率化が進みます。

電子署名とは
電子署名とは、書面で行っている署名・捺印を電子上で行うことです。そして重要なのは、電子署名には押印や手書きの署名と同様の信頼性が与えられている点です。
デジタル庁は平成13年4月1日施行の『電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)及び関係法令』にて、電子署名を『電磁的記録に記録された情報について作成者を示す目的で行う暗号化等の措置で、改変があれば検証可能な方法により行うもの』と定義しています。
言い換えると、電子署名とは「本人確認」と「データが改ざんされていないことの確認」が電子的に可能であるものといえます。
コロナ禍以降、対面からオンラインへシフトして接客するケースも珍しくありません。また、取引先へ直接訪問するのは控えたい場合もあるでしょう。
インターネット上のやりとりだけでは、話しているのが本人なのかどうかや、改ざんされていないか証明するのは困難です。しかし電子署名は、法的な拘束力を持ちます。オンラインのみの契約や認証業務に信頼性を持たせられるのは、大きなメリットです。そこで電子署名の需要は今後ますます拡大すると考えられ、注目が集まっています。
国は電子署名でも、紙媒体における署名や捺印などと同等の法的効力を持つことを法律で定めました。第三者認証機関を設け、電子署名の制度・仕組みを整えることで、電子署名の信頼性や正当性を高めています。
いままでの紙媒体での契約書などの書類のやりとりでは、署名や捺印をすることで書類が原本であることを証明していました。これにより、書類における本人確認や内容の改ざんを防げます。
インターネットの普及により、契約書や請求書などの書類を電子文書(PDFなど)にしてやりとりする機会も増えてきました。しかしインターネットを利用した電子文書のやりとりでは、別人が相手になりすましたり、情報の中身が改ざんされるリスクがあります。そのようなリスクを防ぐために、電子文書への電子署名が利用されています。電子署名をすることで、電子文書が作成者本人に確認をされており、内容が改ざんされていないことが証明されます。今後も電子署名は、インターネット上におけるビジネスシーンでますます重要になるでしょう。

電子署名の必要性
ビジネスにおける電子文書は、さまざまな管理リスクがあり、対応を誤ると会社にとって大きな信用問題になりかねません。電子文書の管理リスクには以下のようなものがあります。

 ・原本が容易にコピーされるリスク
 ・改ざんの痕跡が残らず、容易に改ざんされるリスク
 ・文書作成日時を変更されるリスク
 ・データの消失や互換性がなくなるリスク
 ・法令遵守ができておらず、効力が発生しないリスク

このようなリスクを回避するには、電子文書への電子署名が必要になります。電子署名は、署名や押印と同等の法的効力があることを明記した「電子署名法」により、高い信頼性が担保されています
電子署名が真実性を担保できる理由は「第三者機関の認証を受けている」からです。電子署名を認証する業務を「特定認証業務」と呼び、認証する第三者機関は「電子認証局」と称されます。
第三者機関の認定を受けるには、デジタル庁への申請が必要です。つまり認証する側にも、一定の信頼が担保されているといえます。

電子署名の仕組み

電子署名の仕組みをふたつの視点から解説します。まずは、電子証明書(電子署名)の発行処理および認証局の働きについてです。おもな流れは、以下の通りです。

  1. Aさんは、認証局に電子証明書の利用を申し込む
  2. 認証局は、Aさんの本人確認、秘密鍵と公開鍵の対応付けの確認などを行ったのち、Aさんが登録した公開鍵の電子証明書を発行する
  3. Aさんは、認証局から電子証明書を受理する
  4. 認証局は、発行した電子証明書が何らかの理由により失効した場合、その情報をリポジトリ(変更履歴の保管庫)に掲載する

引用:電子署名・認証・タイムスタンプ |総務省

上記の申請によって、Aさんは電子署名が利用できるようになります。
次に、電子署名を利用した電子データの安全な送信方法を、実際の使い方に沿って解説します。データの送受信に使われるのは「公開鍵暗号方式」と呼ばれる、ふたつの鍵を使った方法です。

  1. 受信者Bさんが「公開鍵」と「秘密鍵」のペアを作成する
  2. 送信者CさんがBさんの「公開鍵」でデータを暗号化し、Bさんに送る
  3. 受信者Bさんは、暗号に使用された「公開鍵」のペアとなる「秘密鍵」でデータを復号する

受信者Bさんが「秘密鍵」で復号できるのであれば、送られてきたデータはペアとなる「公開鍵」で暗号化されています。つまり、受信者Bさんと送信者Cさんは同じデータを保管できているということです。
電子署名において、電子データは暗号化された上で安全に送受信されています。

公開鍵暗号方式(PKI)について
電子署名は、公開鍵暗号方式(PKI:Public Key Infrastructure)と呼ばれる暗号化技術が使われています。公開鍵暗号方式は、一対の「暗号化および復号するための記号」で成り立ちます。暗号鍵のうち、ひとつを秘密鍵として厳重に保管し、もうひとつを公開鍵として公開します。データのやりとりをしたい人は、公開鍵を入手したら電子文書の復元ができます。共通の暗号鍵を持つ必要がないため、管理が容易になるメリットがあります。

電子契約の法的な扱い

ここからは、電子契約の法的な扱いと、電子署名の役割について解説します。
電子契約について一般的な法的定義はありません。しかしながら、一般的な契約と同様に法的な効力を持ちます。
ただし、電子契約には以下のように相当するレベルがあると考えられています。

  • 口頭合意の契約に相当
  • 三文判が押印された書面契約
  • 認印・銀行印が押印された書面契約
  • 実印が押印された書面契約

レベルが上がるほど契約としての効力は高まり、トラブルの防止や主張の根拠として役立つでしょう。また、民事訴訟法228条1項によれば「文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない。」とあります。
つまり、電子契約に裁判の証拠として使用できるほど強力な法的意味を持たせるためには、作成された文章が「真正」であると証明しなければなりません。そこで重要になるのが「本人確認」と「データが改ざんされていないことの確認」というふたつの要件を満たしているか否かです。

(参考)電子署名法

電子署名法(電子署名及び認証業務に関する法律)は、インターネットの急速な普及に伴い、電子取引などの利用が増加したことで2001年4月1日に施行された法律です。当初の電子署名は改ざんのリスクを抱えていたため、電子署名法にはセキュリティ対策の一環として安全性を担保する目的があります。契約時における電子署名に紙の文書への署名と同等の法的効力を持たせます。 

電子署名法 第1条で以下のように目的が規定されています。 

(目的) 
第一条 この法律は、電子署名に関し、電磁的記録の真正な成立の推定、特定認証業務に関する認定の制度その他必要な事項を定めることにより、電子署名の円滑な利用の確保による情報の電磁的方式による流通及び情報処理の促進を図り、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。 
引用:e-GOV 

従来の契約では、紙の契約書や領収書に記載された内容の改ざんが難しいため、現在でも現物に署名や押印が一般的に行われていますしかし、現物保管に必要な場所の確保や必要な文書を探す手間が発生するデメリットがあります。さらに収入印紙の貼付と郵送料の負担が必要です。もし収入印紙の貼付忘れが発覚すると、罰金の支払いがあるため、取り扱いには注意しなければなりません。 
紙の文書における成立は、以下の民事訴訟法 第228条で規定されています。 

(文書の成立) 
1 第二百二十八条 文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない。 
2 文書は、その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認めるべきときは、真正に成立した公文書と推定する。 
3 公文書の成立の真否について疑いがあるときは、裁判所は、職権で、当該官庁又は公署に照会をすることができる。 
4 私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。 
5 第二項及び第三項の規定は、外国の官庁又は公署の作成に係るものと認めるべき文書について準用する。 
引用:e-GOV  

電子署名法 第2条では「電子署名を行った当事者が文書の内容との関わりを証明するもの」「電子署名を行うことで、文書の非改ざん性を証明するもの」と規定しています。条項に当てはまらない場合は、電子署名として認められないことを意味しています。 

第二条

1 この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。 

一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。 
二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。 

2 この法律において「認証業務」とは、自らが行う電子署名についてその業務を利用する者(以下「利用者」という。)その他の者の求めに応じ、当該利用者が電子署名を行ったものであることを確認するために用いられる事項が当該利用者に係るものであることを証明する業務をいう。 

3 この法律において「特定認証業務」とは、電子署名のうち、その方式に応じて本人だけが行うことができるものとして主務省令で定める基準に適合するものについて行われる認証業務をいう 

引用:e-GOV 

ただし、クラウド型の電子署名についてはまだ明確な定義がありません。しかし、電子署名法 第3条では以下の要件を定めています。 

第三条 電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。 

引用:e-GOV 

電子署名法 第3条では「本人だけが行うことができるものに限る」と明記されています。電子署名の種類については定義されていません。しかし、総務省、法務省、経済産業省より公表された「電子署名法2条1項に関するQ&A」では、電子証明書がない電子署名であっても有効と判断する見解が示されています。 

Q2.サービス提供事業者が利用者の指示を受けてサービス提供事業者自身の署名鍵による電子署名を行う電子契約サービスは、電子署名法上、どのように位置付けられるのか。 

電子署名法第2条第1項第1号の「当該措置を行った者」に該当するためには、必ずしも物理的に当該措置を自ら行うことが必要となるわけではなく、例えば、物理的にはAが当該措置を行った場合であっても、Bの意思のみに基づき、Aの意思が介在することなく当該措置が行われたものと認められる場合であれば、「当該措置を行った者」はBであると評価することができるものと考えられる。 

引用:経済産業省 

従来の電子証明書は本人の真実性を証明する手段として有効でしたが、迅速な手続きにおいて発行までに時間が必要であるデメリットがあります。電子証明書の代わりに、契約締結の真正を担保するために認証局などの第三者機関の立ち会いが認められています。認証局とは、電子証明書の申請から発行を受け付けている機関です。印鑑登録証明書などで申請を行う法人や個人の実在を確認しています。また、電子署名法 第4条以降では、電子契約における認証業務を行う企業の要件が定められています。利用者側は第3条まで理解するのみで十分でしょう。 

電子署名の役割
電子署名の役割とは、電子契約の効力を高めることです。電子署名とは「本人確認」と「データが改ざんされていないことの確認」ができているものを指すため、電子契約に電子署名が付属していると、民法上の「文書の成立」要件に近づくといえます。電子契約はオンラインで顔が見えない相手との取引で、紙の契約書に比べて不正や改ざんのリスクは高くなります。リスク回避として電子署名を導入するメリットは大きいといえるでしょう。

「電子署名」と「電子印鑑」の意味の違い
電子署名に似た用語として「電子印鑑」があります。電子署名と電子印鑑との意味の違いは以下のようになります。

電子印鑑 電子署名
実際の印鑑の印影をデータ化したもの、本人識別情報等を含めた印鑑データなど、電子データ化した印鑑そのもののこと。 電子データ上での署名捺印の方法・仕組み全体を示しているもののこと。

「電子署名」と「電子サイン」の意味の違い
電子印鑑と同様に、電子署名に似た用語として「電子サイン」があります。
電子署名と電子サインとの意味の違いは以下のようになります。

電子サイン 電子署名

電子データを用いた本人確認
(電子署名より広義の概念)
第三者認証機関の認証なし
(契約当事者がサインする仕組み)
例 : 画面上でのサイン、ログイン時のメール認証など

第三者認証機関の認証が必要


(参考)印鑑の法的な定義

印鑑は、取引先との契約時に押印した場合に相手方が照合に用いる印影として使用されています。印影とは、印章を紙に押印したときに付着する跡です。押印は、文書の作成者の意思表示を証明するために印影を残す行為です。一般的な紙の契約書には、合意の意思表示の代わりに朱肉で印影を残します。 

印鑑の押印による法的効力は、以下の民事訴訟法 第228条4項で定められています。 

(文書の成立) 

1 第二百二十八条 文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない。 
2 文書は、その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認めるべきときは、真正に成立した公文書と推定する。 
3 公文書の成立の真否について疑いがあるときは、裁判所は、職権で、当該官庁又は公署に照会をすることができる。 
4 私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する 
5 第二項及び第三項の規定は、外国の官庁又は公署の作成に係るものと認めるべき文書について準用する。 

引用:e-GOV 

民事訴訟法 第228条4項に規定されている私文書とは、公務員以外の個人、法人が作成した文書を意味します。取引先との合意を証明する契約書も私文書に該当します。紙の契約書への押印は、過去に最高裁判所の判例で押印による効力が認められた経緯の名残として、現在でも使われる方法です。近年では、電子契約による締結が普及していますが、判例がないため、リスクがないとは断言できない理由から現物で取り扱う企業も多く存在します。自社で電子契約を採用していたとしても、取引先に拒否されるケースも珍しくはありません。万が一のために印鑑を持っておくと便利です。 

最近では、3Dプリンターの登場により、印鑑の偽造のリスクを抱えています。印鑑に関わるトラブルを防ぐために、大手企業や金融機関では、印鑑証明書と照合できる実印と届出した印鑑票の取引印を押すことを要求する場面もあります。過去に最高裁判所で行われた裁判のなかに、印鑑の照合に関する判例が存在します。 

上告人は被上告銀行との間で当座勘定取引契約を締結して、上告人振出の手形を上告人の被上告銀行A支店に対する当座預金から支払うことを委託し、被上告銀行は、上告人があらかじめ提出した印影と手形上の印影とを照合し、両者が符合する場合に上告人のためその手形の支払をなすべきこととなっていたところ、同支店では、上告人の義母が上告人名の印章を偽造しこれを押捺して作成した上告人振出名義の偽造手形五通(以下、本件手形という。)上の印影が上告人から同支店に届け出ていた印鑑票上の印影と似ていて、印鑑票と手形とを平面に並べて肉眼で両印影を比較照合するいわゆる平面照合の方法によつて照合した担当係員においてその相違を発見しえなかつたため、右手形が真正に振り出されたものとして、上告人の当座預金からその支払をしたというのである。 

 おもうに、銀行が当座勘定取引契約によつて委託されたところに従い、取引先の振り出した手形の支払事務を行なうにあたつては、委任の本旨に従い善良な管理者の注意をもつてこれを処理する義務を負うことは明らかである。 

 したがつて、銀行が自店を支払場所とする手形について、真実取引先の振り出した手形であるかどうかを確認するため、届出印鑑の印影と当該手形上の印影とを照合するにあたつては、特段の事情のないかぎり、折り重ねによる照合や拡大鏡等による照合をするまでの必要はなく、前記のような肉眼によるいわゆる平面照合の方法をもつてすれば足りるにしても、金融機関としての銀行の照合事務担当者に対して社会通念上一般に期待されている業務上相当の注意をもつて慎重に事を行なうことを要し、かかる事務に習熟している銀行員が右のごとき相当の注意を払つて熟視するならば肉眼をもつても発見しうるような印影の相違が看過されたときは、銀行側に過失の責任があるものというべく、偽造手形の支払による不利益を取引先に帰せしめることは許されないものといわなければならない。

判例によると、取引で必要な手形に押印された印鑑が、印鑑票の印鑑を偽造されていたことを銀行側が把握できなかったため、銀行の責任の在り方について争われています。当初、銀行側は印鑑票と手形を平面に並べた状態で目視による平面照合を行っていました。しかし、特別な理由がない限り、簡易な平面照合が認められていたため、銀行側の注意不足が認定されています。当時から拡大鏡による比較検証や残影で確認する方法が採用されていましたが、現在では画像分析技術による印鑑照合が一般的です。
一般的には、紙の契約書で取引を行う際に、本人の合意を示すために印鑑が用いられます。本人が押印した印鑑であることを証明するためには、印鑑証明書印鑑票の届出が必要です。しかし、過去の最高裁判所の判例により、現在でも平面照合が認められているため、多くの企業でも紙の文書を取り扱われています。大手企業や金融機関以外の個人や中小企業では、厳格なチェックを行わないケースも少なくはありません。しかし、最近では、3Dプリンターなどによる印鑑の改ざんが懸念されています。もし不正が発覚した場合は、罰則を受ける可能性があるため、印鑑による押印では慎重な対応が求められます。 


電子契約に収入印紙が不要な理由
紙の契約書を締結する際には、収入印紙の貼付によって印紙税を納める必要があります。これを怠った納付漏れが税務調査によって発覚すると、過怠税としてより多くの税金を命じられたり、信用が失墜する可能性もあります。

税務調査とは、国税庁もしくは税務署の調査官が納税者の確定申告の内容と帳簿や計上漏れの確認を行う調査です。国税庁はデータベースに蓄積された税務申告の内容から不明点がある場合に税務調査を行います。たとえば、昨年度と比較して経費が多すぎたり、売上が急に伸びたりすると調査対象になるケースがあります。税務調査が行われる時期は企業の人事異動が落ち着く7月頃から年末に多い傾向です。 

申告内容に虚偽や脱税が発覚した場合は、罰則として税金の加算や逮捕される可能性があります。また、税務調査が行われる日数は1~2日程度です。企業の事業規模によって変わりますが、ほとんどの場合は数日で終わります。税務調査では過去5~7年間にさかのぼって実施されるため、いつでも申告内容の証拠となる帳簿や資料を提出できるように整理整頓が必要不可欠です。 

さらに税務調査は「任意調査」と「強制調査」の2つにわけられます。いずれも帳簿や領収書の提示が求められます。もし税務調査を拒否すると罰則が下されるため、基本的に納税者は対応しなければなりません。また、調査官の質問に対して正しく回答できるように日頃から確定申告に関する書類の準備が必要です。強制調査では脱税の疑いがある納税者に対して、裁判所の令状により強制的に税務調査を行われます。 

契約書や領収書などの課税文書に貼付する収入印紙の申告内容に不明点がある場合は、税務調査が行われる可能性があります。調査では、課税文書に貼付されている収入印紙を直接確認します。もし貼付漏れが判明したとしても、多くの場合は指摘されるだけで済みます。 

基本的な税務調査は以下の手順で行われます。 

  1. 調査日の調整。一般的には担当の調査官より、税務調査の連絡があります。調査実施日の2週間前から打診があるため、企業側の都合と調整して決定します。印紙税の調査において抜き打ちで行われる可能性は低いため、調査日までに企業側は説明に必要な資料や契約書の準備が必要です。 
  2. 実地調査は、調査官が直接企業に訪問する税務調査の1つです。調査では、企業の決算書、総勘定元帳、社内規定の閲覧から始まり、契約書や領収書などの課税文書を調査します。企業側の担当者に質疑応答を行い、調査の結果報告まで待機します。調査官の作業スペースの確保や書類をファイリングして閲覧ができる状況を提供すると、1~2日程度で終了するケースがほとんどです。 
  3. 修正申告。税務調査で申告内容に誤りや申告漏れが判明した場合は、正しい申告内容に修正するのがおすすめです。また、調査結果に納得できなかった場合は、税務署もしくは国税不服審判所に更正もできます。しかし、ほとんどの企業は修正申告に対応し、税務署に提出して手続きを終わらせます。 

印紙税の税務調査は「同時指導」「単独調査」の2つにわけられます。「同時指導」では、所得税や法人税の調査と同時に、不納付文書の存在が発覚した場合に行政指導を行います。一方で「単独調査」では、印紙税を限定的に調査します。基本的に国税庁は資本金が50億円以上の企業を調査対象としていますが、国税庁の判断によっては50億円未満の企業も対象になります。協同組合などの法人と個人事業主は原則、税務署の調査対象です。 

印紙税の単独調査では、最初に作業手順の確認が行われます。具体的には、契約書や領収書の作成や保管までの工程や収入印紙の貼付方法を説明しなければなりません。特に収入印紙の購入と使用履歴の保管方法に重点が置かれます。収入印紙の管理簿で保管するのが望ましいですが、管理簿がない企業の場合は総勘定元帳で収入印紙の購入回数や金額を確認します。 

し税務調査で収入印紙の納付漏れが発覚した場合は、罰金の支払いとレピュテーションリスクによる不利益を被る可能性があります。意図していない納付漏れであっても、脱税事件のように報道されるリスクがあります。レピュテーションリスクが注目されている背景には、インターネットの普及による情報の高度化が挙げられます。近年では、SNSを利用する企業が増加する一方で、SNSのユーザーによる誹謗中傷のリスクも抱えています。企業に対する信用やブランドのイメージが低下するため、風評被害を招いてしまうことに注意が必要です。 

また、収入印紙は経費に計上できますが、税務調査で貼付忘れを指摘された場合は罰金で過怠税が発生します。過怠税は、自己申告で1.1倍相当、自己申告以外で3倍相当が課税されます。自己申告を行う場合は、課税文書の作成者が税務署長に「印紙税不納付事実申出書」の提出が必要です。 

「印紙税不納付事実申出書」には以下の内容が記載されています。 

この申出書は、課税文書の作成者が自ら作成した課税文書(印紙貼付の方法により印紙 税を納付するものに限ります。)について、印紙税を納付していない旨の申出を行う場合に 提出するものです。 

記載要領 

 「申出者(作成者)」欄は、不納付となった課税文書を作成した者の住所(作成者が法人等の場合には、本店又は主たる事務所の所在地)、氏名又は名称(作成者が法人等 の場合には、名称のほか、代表者の役職名(代表者であることを示す役職名)及び氏 名)及び個人番号又は法人番号を記載します。 

 「課税文書の作成場所」欄は、不納付となった課税文書を作成した場所(印紙税の納税地)の所在地及び名称を記載します。 

 「課税文書」欄の「号別」及び「課税物件名」欄は、不納付に係る課税文書について、印紙税法別表第一(課税物件表)の「番号」及び「物件名」欄に記載された番号 及び物件名を記載し、「名称」欄は、その課税文書の名称(表題)を記載します。 

 不納付に係る課税文書の号別、課税物件名及び名称が同一であり、かつ、作成年月 (日)が同一であるときは、これらを同一の所持者又は所持者が明らかでないものごとにまとめて一行に記載しても差し支えありません。 

 「不納付となった理由」欄は、不納付となった理由(複数ある場合は、主な理由) の□にレ点を記載します。 

 この用紙に書き切れない場合には、「印紙税不納付事実申出書(次葉)」を使用します。 

 申請・届出書の控えを保管する場合においては、その控えには個人番号を記載しないなど、個人番号の取扱いには十分ご注意ください。 

引用:「印紙税不納付事実申出書」の記載要領等 

また、貼付された収入印紙に消印が押印されていない場合は、本来支払うべき金額に応じて過怠税が徴収されます。ただし、過怠税は経費として認められないため、計上しないように注意しなければなりません。 

収入印紙の貼付忘れは決して珍しいことではありません。しかし、印紙税の納付漏れは企業に不利益をもたらすリスクがあります。契約書や領収書などの課税文書に収入印紙が貼られていることを確認しなければなりません。ミスが多い場合は、業務改善を検討すべきです。ただし、電子契約で作成された契約書や領収書は課税文書の対象外です。さらに収入印紙の貼付がないため、経費削減につながります。もっといえば、罰金のリスクや納付漏れによるレピュテーションリスクを抑制できます。

収入印紙とは

収入印紙とは、経済的な取引において必要な契約書などの課税文書を郵送する際に、印紙税や登録免許税などの税金を徴収するために発行される証票です。印紙税法では、課税が義務付けられている契約書などの文書を「課税文書」と定義しています。 

収入印紙は郵便局やコンビニでも簡単に購入ができます。使い方は、郵便切手と同じように必要な金額分の収入印紙を書類の左上に貼り付けるのみです。おもに印紙税を納めるときに使用するため、書面契約の場合は納税義務があります。たとえば、課税文書の1つである請負契約書に課せられる税額は、契約金額に応じて異なります。仮に契約金額が1万円未満であれば非課税ですが、1万円以上の場合は課税対象です。 

請負契約書に課される印紙税

1万円未満 非課税
1万円を超えて100万円以下 200円
100万円を超えて200万円以下 400円
200万円を超えて300万円以下 1,000円
300万円を超えて500万円以下 2,000円
500万円を超えて1,000万円以下 1万円
1,000万円を超えて5,000万円以下 2万円
5,000万円を超えて1億円以下 6万円
1億円を超えて5億円以下 10万円
5億円を超えて10億円以下 20万円
10億円を超えて50億円以下 40万円
50億円を超えるもの 60万円
契約金額の記載なし 200円

参考:国税庁 

国税庁で定めている課税文書の要件は以下の3点です。 

  • 印紙税法で定められている20種類の文書に課税事項が記載されていること 
  • 契約を行う当事者間において課税事項を証明する目的で作成されていること 
  • 印紙税法で定められている非課税文書ではないこと 

参考:国税庁 

課税文書を作成した本人が課税文書でないことを主張したとしても、契約締結のために作成したことが明らかであれば課税対象になります。もし自社で作成した契約書に収入印紙を貼付していなかったとしても、契約書の作成に法的義務がないため、契約が成立します。口約束であっても契約はできるため、当事者間との契約内容に合意した証拠を残す手段として活用できます。つまり、契約の合意と印紙税の納付に無関係です。 

しかし、収入印紙の貼付を忘れると税務署から「過怠税」が課せられます。税務署から指摘を受けた場合は納税額の2倍、自己申告した場合は納税額の10%を負担しなければなりません。基本的に印紙税は書類を作成した側が支払うため、書類の受け取り側は収入印紙が貼付されていない場合であっても特に経理上の問題はありません。 

ただし、印紙税の納付は収入印紙を貼り付けた書類を税務署に提出した時点で認められるため、購入のみでは納税したことになりません。一般的に契約書を作成する際は、収入印紙を貼付してから割印を押すと納税したことが証明される仕組みです。

電子契約に収入印紙が不要である理由は、用紙に内容を記載した文書を「課税文書」と定義しているためです。電子契約の場合は、データで文書を作成するため、課税文書に該当しないと考えられています。課税文書における「作成時」とは、相手方に交付する行為を指します。 

印紙税法基本通達第44条には課税文書の作成について以下のように定義されています。 

44条 法に規定する課税文書の「作成」とは、単なる課税文書の調製行為をいうのでなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいう。   

2 課税文書の「作成の時」とは、次の区分に応じ、それぞれ次に掲げるところによる。(平13課消3-12、平18課消3-36改正) 

(1) 相手方に交付する目的で作成される課税文書 当該交付の時 
(2) 契約当事者の意思の合致を証明する目的で作成される課税文書 当該証明の時 
(3) 一定事項の付け込み証明をすることを目的として作成される課税文書 当該最初の付け込みの時 
(4) 認証を受けることにより効力が生ずることとなる課税文書 当該認証の時 
(5) 第5号文書のうち新設分割計画書 本店に備え置く時 

引用:国税庁 

現時点の法律では、電子契約において収入印紙が不要であるとは明記されていません。しかし、2005年の国会答弁において当時の首相は以下のように回答しています。 

「事務処理の機械化や電子商取引の進展等により、これまで専ら文書により作成されてきたものが電磁的記録により作成されるいわゆるペーパーレス化が進展しつつあるが、文書課税である印紙税においては、電磁的記録により作成されたものについて課税されないこととなるのは御指摘のとおりである。 

しかし、印紙税は、経済取引に伴い作成される文書の背後には経済的利益があると推定されること及び文書を作成することによって取引事実が明確化し法律関係が安定化することに着目して広範な文書に軽度の負担を求める文書課税であるところ、電磁的記録については、一般にその改ざん及びその改ざんの痕跡の消去が文書に比べ容易なことが多いという特性を有しており、現時点においては、電磁的記録が一律に文書と同等程度に法律関係の安定化に寄与し得る状況にあるとは考えていない。 

電子商取引の進展等によるペーパーレス化と印紙税の問題については、印紙税の基本にかかわる問題であることから、今後ともペーパーレス化の普及状況やその技術の進展状況等を注視するとともに、課税の適正化及び公平化を図る観点等から何らかの対応が必要かどうか、文書課税たる印紙税の性格を踏まえつつ、必要に応じて検討してまいりたい」 

また、電子契約書にて締結した文書は印刷しても課税文書の作成には当てはまりません。契約書のコピーとして取り扱われます。ただし、印刷した契約書で取引を行う場合は印紙税が発生するため、収入印紙の貼付を忘れないように注意が必要です。 

まとめますと、収入印紙は印紙税の支払いに必要な証票であるため、課税文書に該当する書類に貼付しなければなりません。また、書面契約では用紙を使用した契約書で締結するため、印紙税法にもとづき課税文書と判断されます。もし収入印紙の貼付を忘れると、税務署に過怠税を追加で支払わなければなりません。 ただし、契約金額が1万円未満の場合は非課税となるため、状況に応じて収入印紙を貼付しましょう。一方で電子契約では、電子データで作成した文書は課税文書に該当しないと考えられています。まだ明確な定義はありませんが、印紙税法では用紙で作成した文書のみ課税することを明記しているため、電子契約であれば収入印紙の貼付や印紙税の納付は不要です。 

システム選定のポイント8選

電子署名サービスを選定するには、以下のようなポイントを比較するといいでしょう。機能の有無だけでなく、使いやすさも考慮することが大事です。

1.共通条件
・税法、電子帳簿保存法等に基づいた社内運用が可能か。 
・複数ユーザーでの同時利用 
・利用可能ユーザー数やアカウント数が自社に合うか。 
・閲覧範囲の制限機能 
2.契約書の作成
・電子化できる契約書の量
・テンプレート機能
・CSVデータからの契約書一括作成機能
3.社内承認に関する機能
・ワークフローによる、申請・承認機能
・タスク管理機能
・リマインド機能
・契約書以外の関連書類の管理
4.電子署名に関する機能
・電子文書の押印・署名機能
・認定タイムスタンプ機能 
・複数者間の契約が可能か
・データ送付がかんたんにできるか 
・電子帳簿保存法に基づいた検索機能
・紙で締結した契約書も同じシステム内で管理できるか
5.コンプライアンスに関連する機能
・「誰がいつ何をしたのか」をデータ追跡ができるか
・不正アクセス対策
・契約書の契約期限の管理機能
・法務担当の合意がとれる仕様であるか
6.高度な業務効率化
・基幹システムとの連携(売上や費用計上等の自動計算が可能か)
・自社独自の契約方式や契約状況を対応可能か
・外部サービスとの連携
7.電子署名サービスの法的効力
電子署名サービスでは、なりすまし防止のために本人確認を強化する機能が備わっています。その手段としては、二要素認証による本人確認電子証明書による確認などがあります。この本人確認に関する機能は、電子署名サービスによって異なります。本人確認に関する機能の種類によって、電子文書の法的効力が変わるといわれています。そのため法的効力を重視する場合は、一般的に法的効力が高いといわれる、電子証明書による確認を使う電子署名サービスを選ぶといいでしょう。
8.導入・運用時のカスタマーサービス
電子署名サービスの選定ポイントとして、カスタマーサービスの充実さを比較することも重要です。電子署名サービスのスムーズな導入や運用をするには、自社担当者だけでなくカスタマーサービスの力が必要になります。
電子署名サービスには、ヘルプコンテンツが充実しているものやチャットサポートなどがあるサービスもあります。自社環境に合ったサポート体制がある電子署名サービスを選定しましょう。

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リーガルチェック

リーガルチェックとはビジネスの場面で取り交わす書面を、事業や法的な観点から確認をおこなうことを言います。法律面以外にも、文章を社会性や公共性・法律以外の規定との整合性もあわせてチェックすることで、トラブルを未然に防ぐ役割を担っているタスクです。トラブルの例としては、法律などに抵触していることで文書が無効となったり、重要事項の記載漏れにより大きな損害を負うことになったりと、幅広い事例が存在します。

リーガルチェックする契約書とは

リーガルチェックする契約書は、次のような契約書です。

1.自社で作成した契約書

リーガルチェックをして自社で作成した契約書に問題がある場合は、関連部署に文言の訂正を提案します。併せて、関連部署からの質問に回答をします。

契約書は多くの企業では、弁護士などの専門家が監修・作成した自社の契約書テンプレートが存在します。そのテンプレートを関連部署が、加筆・修正しているケースが多いでしょう。

テンプレートを加筆・修正しただけの契約書では、法的な問題が隠れているリスクがあります。そのため、法律の専門家である弁護士や社内の法務部門がリーガルチェックをして、契約書のトラブルを防ぐ役割を担います。

2.他社から受け取った契約書

他社から受け取った契約書をリーガルチェックして問題があった際には、相手に疑問点の説明を求めます。ほかに予定する取引の実態が反映されているか、自社に不利な条項・文言の確認、法令違反などの確認をします。

また契約書の文言に加筆を促す提案をすることもあります。


リーガルチェックを実施するのは、基本的には法的な専門知識を持ち合わせた人物や機関です。依頼の際にどこまでの対応が可能なのかを交渉するためにも、最低限重要な項目だけでも理解しておきましょう。リーガルチェックを実施するのは、基本的には法的な専門知識を持ち合わせた人物や機関です。依頼の際にどこまでの対応が可能なのかを交渉するためにも、最低限重要な項目だけでも理解しておきましょう。
①実態に即した内容か、などの基本的なチェック
取り交わす文書が、実態に即した内容であるかをまずは確認します。双方の状況や契約後のフローに無理はないか、また実現可能な内容であるかをチェックし、必要があれば関連部署にもヒヤリングを実施。契約を締結した後の行き違いがないよう、しっかりと確認を行ないます。
②法令の確認と文章チェック
文書が法令や法律に違反していないか、法律視点でのチェックを行ないます。提出する文書だけでなく、受領した文書にもチェックを実施しますが、仮に違法な部分があれば強行法規違反として文書自体が無効となります。独占禁止法や下請法に抵触している内容や、公序良俗に反している内容でないか、法律・法令と社会的な視点でのチェックが必要です。
③関連文書との内容の整合性をチェック
以前取り交わした契約書など、該当の文書と関連のある文書の内容を確認し、整合性がとれているかチェックを実施します。関連した文書との矛盾や内容の相違などによる、契約後のトラブルを防止します。
④自社にとって不利益となる記載はないか
解約時の違約金や不平等な取引など、自社にとって不利益となる記載がないかの確認も必須です。ビジネス・法律双方の視点でチェックを行い、気になる点や修正点があれば早めに先方に依頼します。フェアな取引であるかの確認も、リーガルチェックで行なうべき項目のひとつです。
⑤トラブル時などリスク想定がされている文章か
契約が途中で解除となる場合の条件や、イレギュラー時の対応についての記載を確認し、トラブル時の想定がなされているかについてもチェックを実施します。受領した書面の場合は、誤って契約違反をした場合の賠償なども含めた、丁寧な確認をしておくことが大切です。

リーガルチェックは専門的な知識が必要になり、場合によっては外部への依頼が必要となります。時間も費用も掛かるリーガルチェックに、実施する必要性はあるのでしょうか?実施するメリットと、実施しない場合のリスクなどを基に確認していきましょう。リーガルチェックは専門的な知識が必要になり、場合によっては外部への依頼が必要となります。時間も費用も掛かるリーガルチェックに、実施する必要性はあるのでしょうか?実施するメリットと、実施しない場合のリスクなどを基に確認していきましょう。

リスク回避と円滑な業務を実現するリーガルチェック

結論を先に伝えると、リーガルチェックの必要性は非常に高く、必ず実施する必要があると言えます。多くの企業では体制を整備し、契約時などのリスク回避を通して円滑な業務遂行の助けとなるよう実施しているチェックです。法令・法律遵守の意識が高まりをみせている昨今、今後さらにリーガルチェックの必要性は更に高まるものと考えられます。

リーガルチェックの注意点
リーガルチェックをする際には、次のようなことに注意が必要です。

  • 契約書の内容に不明確な文言や用語がないか
  • 関連法令や判例の確認
  • 自社に不利な条項がないか
  • 関連する契約書との整合性の確認
  • トラブルを想定した内容になっているか
  • 取引の内容が自社の目的に沿っているか
  • お互いの利益のバランスが適切か

上記について、詳しく説明します。

契約書の内容に不明確な文言や用語がないか

契約書に記載される用語は、さまざまな業界や取引企業内の専門用語が使われます。このような一般的ではない用語が使われた文言が不明確であると、当事者間の合意内容にズレが生じる可能性があります。また契約対象の製品やサービスなどの要素に、相互の認識が異なるリスクも考えられます。

このような認識の違いを放置することで、トラブルに発展するかもしれません。その結果、代金の支払が拒否されたり、製品が引き渡し拒否されてしまったり、最悪の場合は訴訟になることもあります。

関連法令や判例の確認

関連法令や判例もリーガルチェックには重要な要素です。 契約条項に記載されていない事柄があった場合、法令や判例に従います。そのため、取引に関連する法令や判例を理解しなくてはいけません。

また強行規定に反する契約条項があった場合は、修正が必要になります。そのような契約条項を見つけるためにも、リーガルチェックは大切です。特に相手から受け取った契約書は、入念にリーガルチェックをする必要があります。

自社に不利な条項がないか

契約相手から渡される契約書は、基本的に相手が有利になる条項が多く含まれています。そのため、自社にとって不利な条項がないかリーガルチェックをします。必要に応じて、条項の修正・削除、取引内容の見直しなどを行います。

また条項に不足や記載漏れがないかも確認します。記載すべき条項がない場合は、必要に応じて加筆をします。

関連する契約書との整合性の確認

関連する契約書と整合性がとれていないと、業務に支障をきたす可能性があります。さらに法令違反になるリスクもありえます。契約を締結する際には、関連する契約書をすべて理解しておくべきです。

トラブルを想定した内容になっているか

トラブルを未然に防ぐためにも、リーガルチェックは必要です。損害賠償に関する条項や契約解除に関する条項、機密保持義務に関する内容などは、トラブル回避のためには重視すべき要素です。

またトラブル発生時の対応手順を、契約書に明確に記載する必要もあります。契約内容に応じて、トラブルの回避や対応に関することが十分に想定されているか確認しましょう。

取引の内容が自社の目的に沿っているか

契約書に記載の取引内容が、自社の目的に沿っているかを確認することも大事です。契約書の記載内容が、自社の目的や現状と乖離しているとトラブルの原因になる可能性があります。

お互いの利益のバランスが適切か

契約書に記載されている条項が、一方的に利益を主張していないか、もしくは過大な不利益を与えないか確認をしましょう。相互の利益のバランスがとれていないと、深刻な場合は訴訟に発展することもあります。お互いが納得した利益を受ける、バランスの良い契約内容が大切です。

リーガルチェックのメリット

リーガルチェックを実施するメリットのうち、代表的なものをご紹介します。

安心して書面を取り交わせる
リーガルチェックが完了したうえで文書を提示すれば、安心感を持って取引が進められます。法律や法令に触れていないか、書面を交わす際に矛盾した記載はないかと考えていては、本来の業務は疎かになるもの。間違いのない文書であるという後ろ盾があれば、本来なすべきことに集中することができます。

自社の信頼を高める

場面や状況に応じた適切な書面を日ごろから間違いなく提示できていると、クライアントに信頼感を与えることができます。リーガルチェックの体制を整備し日常的に実施すれば、取引先との信頼を築く助けにもなるでしょう。

トラブルを未然に防ぐことができる

トラブルを未然に防ぐことができるのも、大きなメリットのひとつです。記載の訂正や法律に照らし合わせた確認を通して、契約書が無効になったり、意図しない損害賠償請求を避けることができます。提示する書面はもちろん、受領した書面のトラブル抑止の役割だけみても、リーガルチェックの必要性は非常に高いと言えます。

リーガルチェックを実施しなかった場合の、主なリスクをご紹介します。

手間や費用、ビジネスチャンスの損失

契約に至った書面が法令違反であるために無効となってしまえば、ビジネスチャンスを失うことに繋がりかねません。これまで関係を築いてきた時間や労力だけでなく、取引に費やした費用さえも無駄になってしまいます。

企業としての信頼を失う

ビジネスチャンスを失っても新たなチャンスをみつけることはできますが、いい加減な書面を提示していては企業としての信頼を失ってしまいます。法令遵守の意識が高まっている現代では、企業としての信頼はビジネスに直結する指標のひとつです。不正確な文書によって、先方へ多大な迷惑を掛けることもあり得ることを忘れてはいけません。

大きな損害やトラブルが起きることも

必要事項の記載を怠れば、こちら側から提示した契約だとしても、大きな損害を被る可能性があります。また、受領した契約書が不平等な内容であった場合なども、リーガルチェックを実施していなければそのまま不利益を被ることになります。事業の存続に関わるほどの賠償リスクもありますので、リーガルチェックを実施しないことのリスクは非常に大きいと言えそうです。

リーガルチェックを実施するための方法を解説していきます。注意点を踏まえたうえで、順を追って進められる内容となっていますので、ぜひご参考ください。

リーガルチェックを実施する場合は一般の社員ではなく、法的な知識のある専門家へ依頼することが鉄則です。具体的な依頼先となるのは、自社の法務部・法務担当への依頼か弁護士への依頼の2択。依頼する前に、それぞれの特徴を確認しておきましょう。

自社に法務部門がある場合などは、リーガルチェックを内製することも可能です。メリットとしては自社内での文書調整となるため、レスポンスが早く融通が効く点にあります。文書の内容自体が大きく変わらない場合は、法務部門の強化をすることである程度の対応も可能です。

しかし、外部弁護士のチェックも並行して依頼している企業も多く、法務部門では一次チェックのみ、最終的には外部弁護士がチェックするフローを採用しています。社会的な状況の変化が著しい昨今では、自社内で法規制を含めたすべての内容に対応することは、非常に難しいのが現実です。

外部の弁護士へリーガルチェックを依頼するメリットは、専門性と信頼性の高さにあります。専門的な視点から客観性のあるチェックを受けられますので、あらゆる場面に対応した書類発行を任せることが可能です。また、受け取った書類に関してもチェックをアウトソースできるので、能力のある弁護士に依頼することができれば、組織運営における強い味方にもなるでしょう。

外部の弁護士へ依頼する際の手順を確認していきます。

①該当書類の準備

リーガルチェックを依頼する必要のある文書・書類を準備しておきます。

②必要情報の整理

弁護士へ依頼する場合は、初めに依頼内容や自社情報などが必要となります。自社情報は従業員数や資本金など詳細を伝えますが、企業規模によって適応される法律が変わる場合もあるため、必ず正確なデータを伝えるようにしましょう。

③書面を交わすうえでのゴール設定

該当の書面を取り交わすことでの、ビジネス観点でのゴール設定を決めておく必要があります。弁護士の依頼の際には目指すべきゴールを伝え、そのための助言を仰ぐのが良策。目標実現に向けた協力を依頼すると修正点が明確になるため、リーガルチェックを効率的に進めることができます。

④弁護士の選定

費用や対応範囲、専門性などを考慮したうえで依頼する弁護士を選定します。ビジネスの場面ではレスポンスも重要になりますので、対応の早さに関しても把握しておきたいところです。また、案件ごとの相談は都度費用が発生することになるため、自社で運用できる文書テンプレートの作成依頼を任せられる弁護士を探すのも良い方法です。

⑤弁護士へ相談・正式依頼

条件等が合致する弁護士が選定できれば、正式に依頼を進めます。該当の案件以外にも相談が必要な場合は、今後の依頼を含めた相談しておくと安心です。また、レスポンスの早さや依頼の簡略化を希望する場合は、顧問契約を打診する方法もあります。

まずは該当する案件のリーガルチェックを検討している弁護士へ依頼し、信頼できるようであれば継続依頼を検討する流れとするのが良いでしょう。

外部の弁護士などにリーガルチェックを依頼する場合は、まずは費用面に注意が必要です。案件ごとの汎用な相談であれば、3万円前後から依頼できる場合もあります(東京都内)。また、より個別の相談や文書の調整、難しい案件の対応については、弁護士事務所によっても異なりますが、5万円〜約数十万円程度の費用が必要になります。依頼前に充分に専門性などを確認のうえ、信頼できる弁護士へ依頼することが何よりも大切です。

また、自社の法務部門と弁護士を連携させる場合は、依頼の際にその旨も伝えておくと良いでしょう。個別の対応と連携する場合とでは、費用や対応が異なる場合もあります。依頼の際の費用と対応範囲のバランスをみながら、最適な弁護士を選定しましょう。

リーガルチェックの費用を抑える4つのポイント

費用を抑えるポイントは下記の4つです。

①弁護士へ依頼する場合は充分な比較・検討をする

弁護士を選定する際は、地域や弁護士事務所の規模などによっても大きく費用が異なります。対応範囲やレスポンスの速さなども確認のうえ、できれば複数の弁護士を比較することがおすすめです。

②長期的な視野でも考えておく

今後予定されている法律の改正や社会状況の変化も加味して、リーガルチェックをどこへ依頼するのが良いか、先を見越して考えておくことも大切です。法務部門で先々も対応していくことが可能かどうか検証したり、弁護士へ長期契約の相談をするなど、長期的な視点でも考えておくことが結果的に費用を抑えることに繋がるでしょう。

③必要な部分のみを弁護士へ依頼する

先程ご紹介した事例のように、一次チェックを法務部門で実施し、最終チェックを弁護士へ依頼するなど、部分的な依頼をすることでも費用は抑えられます。社内法務部の業務負荷や人的コストとのバランスを見て、臨機応変に依頼することも良い方法です。

④業務支援サービスを検討する

業務のデジタル化推進をサポートする、リーガルチェック機能のある業務支援サービスの利用を検討するのも良いでしょう。経理や法務の業務以外にも、バックオフィスの業務負荷を軽減するDX化に繋がるサービスは、利用する企業も増加傾向にあります。ほかの業務コスト・人的コストを加味して、一度検討することも良策だといえるでしょう。

費用はできるだけ抑えたいものですが、リーガルチェックはなにより正確性が大切です。先方へ提示した文書に不備があれば、契約書が無効になるだけでなく、大きなトラブルに繋がる可能性もあります。一方で正確で間違いのないリーガルチェックが実施できれば、ビジネスにおける積極性も格段に高くなるはずです。

そのため、必要な部分にはしっかりと費用を掛け、場合によっては法務部門と連携しながら弁護士や業務支援システムの活用を考えることが良策だといえます。費用を抑える観点と正確性や信頼性のバランスも考慮しながら、自社にあった最適な方法をみつける必要があるでしょう。

 
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調達、購買業務で扱う契約書

    • 仕入契約書: 仕入先との取引において、品質、数量、価格、納期、支払条件などを明確にする契約書です。この契約書は、仕入先とのトラブルを未然に防ぐためにも、重要な役割を担っています。
    • 機密保持契約書*1: 取引先との情報交換において、秘密情報の漏洩を防ぐために締結される契約書です。特に、技術情報や営業秘密など、企業にとって重要な情報を取り扱う場合には、機密保持契約書の締結が必要不可欠です。
    • 委託契約書: 企業が外部の業者に業務を委託する際に締結される契約書です。この契約書には、委託業務の範囲、期間、報酬、機密保持などが明記されます。委託業務を円滑に進めるためにも、委託契約書の締結は重要です。
これらの契約書は、企業活動において欠かせないものであり、取引先とのトラブルを未然に防ぐためにも、重要な役割を担っています。契約書の締結にあたっては、契約書の内容を十分に理解し、必要に応じて法務部門などの専門家に相談することが大切です。

*1) 機密保持契約書

サービスやプロダクトの提供を行うにあたって、取引相手に自社の情報を渡したり、取引相手から重要な情報を受け取る必要のある場合が存在します。しかし、取引上で必要なために情報を受け渡ししているだけで、それを第三者に公開されたくない場合の方が多いものです。企業の業務上の機密事項などが競合他社に漏れた場合には、大きな問題に発展するでしょう。個人情報である場合も同様です。

このような事業で取り扱われる重要性の高い情報において、情報の流出や第三者へ公開されてしまうような事態を避けるために取り交わす契約書が秘密保持契約書です。NDAとも呼ばれるこの契約書は、取引でやり取りした情報を第三者へ公開しないことを約束するもので、企業にとっては情報漏洩によるトラブルのリスクを削減する役割を果たします。

秘密保持契約書とは、製品やサービスなどの取引を行う際に、自社が取引相手に対して開示する秘密情報を第三者に公開しないよう締結する契約です。対象となる情報の内容と情報を利用してよい範囲を明確に定める必要があります。Non-Disclosure Agreementの先頭3文字をとってNDAとも呼ばれます。

また、企業が従業員を雇う際にも締結することがあります。誰しも身内は疑いたくないものですが、業務において知り得た機密情報や他の従業員の個人情報を守るために、内部不正を防ぐ取り決めや退職後の情報の取り扱いについて定めることが、従業員との秘密保持契約を締結する目的となります。

秘密保持契約書(NDA)を締結する目的

秘密保持契約書を締結する目的は、事業運営上の機密や個人情報を守ることです。

企業にとって情報は「人、モノ、金」に次ぐ4つ目の資産といわれており、非常に重要性の高い価値あるリソースです。業務上のノウハウは利益を生み出すもとであり、顧客のリストや詳細情報はビジネスを支える存在といえます。さらに特許などの知的財産は情報そのものに価値のある例です。また、ビジネスで生まれたデータを収集して、ビッグデータとして活用することはDXの実現においても重要な実現手段の一つに数えられています。

個人情報については、その重要性はすでに浸透している通りです。ビジネスのために預かった個人情報が流出した場合、企業の信頼性を大きく傷つけることになります。さらには、損害賠償問題に発展するケースもあり、ニュースで目にしたことのある人も多いことでしょう。

PマークやISMSなど情報の取り扱いに関する認証を取得している企業の場合は、情報の取り扱いかたそのものが適合性基準の一環となるため、秘密保持契約書の締結はより重要な意味を持ちます。

不正競争防止法によって企業の秘密情報(営業秘密)が、個人情報保護法によって個人情報が、守るべき重要なものとして法的保護の対象とされています。これは情報の重要性の高さを示しており、逆説的に言えば保護する法律が必要なほど流出や漏洩が問題視されているともいえるのです。

秘密情報流出、漏洩時のリスク

秘密情報が流出、漏洩してしまった場合には、どの様な事態となってしまうのでしょうか。

簡単な事例をあげれば、販売会社における仕入価格などが秘密情報にあたります。競合他社に仕入価格が知られてしまった場合には、企業は競争力を失い、大きな問題となることが予測できます。

情報漏洩時の損害賠償については、特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)による調査データが存在します。「インシデント損害額調査レポート 2021年版」によると、業務上で管理している個人情報漏洩における損害賠償額は1名あたり28,308円とされています。情報漏洩の規模によっては、数百万~数億円規模まで膨らむこともあり得ます。

さらに企業の機密情報の漏洩の場合は、一概にはいえないものの、情報の用途と価値、重要度によってはより大きな損害賠償額となりえます。過去には数百億円規模の訴訟が提起された事例もあり、そのリスクは大きいと考えなければなりません。

参考:特定非営利活動法人 日本ネットワークセキュリティ協会「インシデント損害額調査レポート 2021年版」

秘密保持契約書の締結を実際に行う際のタイミングと流れについて説明します。

秘密保持契約書(NDA)締結のタイミング

秘密保持契約書の締結は主に、下記のタイミングで行います。

・共同での事業開始時(業務委託含む)

・従業員を雇用する際

 取引を行う契約の際に結ぶのが定番です。すぐにでも情報が流出する可能性を阻止するために、一刻も早く契約書を締結し、情報が漏れないよう細心の注意を図ります。後追いで締結することも可能ですが、締結されるまでに取引が進められていれば、それまでの間での情報流出を防げません。

 従業員と秘密保持契約書を締結する場合には、雇用のタイミングで秘密保持契約書の締結を行います。ただし、在職中の従業員への契約が必要となった場合には、その限りではありません。従業員向けの場合には、在職中、退職後の両方を対象とする記載とします。

秘密保持契約書(NDA)締結の流れ

秘密保持契約書を締結する際のおおよその流れは下記のとおりです。

 1.秘密保持契約書を締結したい側が契約書を作成します。対象の秘密情報を明確化して記載するためです。後述の雛形を利用することで、作業工数をかけずに契約書を作成できます。

 2.締結をしたい側から、取引先に対して契約と契約書の確認を依頼します。契約書を送付して、内容を確認してもらい、内容のすり合わせや修正を行いましょう。最終的には印刷した書面を両者1部ずつ持つ形となりますが、すり合わせの段階では電子データでのやり取りでかまいません。

 3.契約書の記載内容が確定したら、二部印刷して取引先に送付します。返送を前提とするため、返信用の封筒も同封しましょう。

 4.契約書を受領した側は、契約書に署名・捺印を行い、取引相手に返送します。

 5.署名、捺印が行われた契約書を受領したら、契約書を作成した側も署名、捺印を行い、契約書二部のうち一部を返送します。お互いに一部ずつを保有して、契約書の締結が完了します。

 なお、3、4、5に関しては、近年のビジネスシーンでは電子サインの仕組みを利用する場合も増えており、その場合にはオンラインで作業が完了します。最終的な紙の書面も発行せず

電子データのURLを共有する形となります。

 契約書の作成年月日は調印日とすることが通例ですが、過去に遡って契約書の有効な期間にあわせて定める場合もあります。

 契約書締結の流れについては、従業員との秘密保持契約書を締結する場合においても同様です。

 秘密保持契約書(NDA)のひな型

秘密保持契約書を作成する際の見本として、経済産業省が公開している資料「秘密情報の保護ハンドブック」を利用することが可能です。秘密保持契約書を締結する相手ごとに異なる契約書の雛形が掲載されているため、シーンにあわせてご利用ください。事業者間で秘密保持契約書を締結する場合の見本を紹介します。

秘密保持契約書(NDA)の見本

業務提携時の秘密保持契約書例

出典:経済産業省「秘密情報の保護ハンドブック」((*)の注記も含む。)

秘密保持契約書

_____株式会社(以下「甲」という。)と_____株式会社(以下「乙」という。)とは、_____について検討するにあたり(以下「本取引」という。)、甲又は乙が相手方に開示する秘密情報の取扱いについて、以下のとおりの秘密保持契約(以下「本契約」という。)を締結する。

 

第1条(秘密情報)(*2)(*3)

1.本契約における「秘密情報」とは、甲又は乙が相手方に開示し、かつ開示の際に秘密である旨を明示した技術上又は営業上の情報、本契約の存在及び内容その他一切の情報をいう。ただし、開示を受けた当事者が書面によってその根拠を立証できる場合に限り、以下の情報は秘密情報の対象外とするものとする。

①開示を受けたときに既に保有していた情報

②開示を受けた後、秘密保持義務を負うことなく第三者から正当に入手した情報

③開示を受けた後、相手方から開示を受けた情報に関係なく独自に取得し、又は創出した情報

④開示を受けたときに既に公知であった情報

⑤開示を受けた後、自己の責めに帰し得ない事由により公知となった情報

2.前項本文の情報のうち、甲が乙に秘密である旨を指定して開示する情報は別紙1を、また乙が甲に秘密である旨を指定して開示する情報は別紙2を含むものとする。なお、別紙1及び別紙2は甲と乙とが協力し、常に最新の状態を保つべく適切に更新するものとする。(*4)

3.甲又は乙が口頭により相手方から開示を受けた情報については、改めて相手方から当該事項について記載した書面の交付を受けた場合に限り、相手方に対し本規程に定める義務を負うものとする。(*5)

4.口頭、映像その他その性質上秘密である旨の表示が困難な形態又は媒体により開示、提供された情報については、開示者が相手方に対し、秘密である旨を開示時に伝達し、かつ、当該開示後○日以内に当該秘密情報を記載した書面を秘密である旨の表示をして交付することにより、秘密情報とみなされるものとする。(*5)

 

第2条(秘密情報等の取扱い)

1.甲又は乙は、相手方から開示を受けた秘密情報及び秘密情報を含む記録媒体若しくは物件(複写物及び複製物を含む。以下「秘密情報等」という。)の取扱いについて、次の各号に定める事項を遵守するものとする。

①情報取扱管理者を定め、相手方から開示された秘密情報等を、善良なる管理者としての注意義務をもって厳重に保管、管理する。

②秘密情報等は、本取引の目的以外には使用しないものとする。

③秘密情報等を複製する場合には、本取引の目的の範囲内に限って行うものとし、その複製物は、原本と同等の保管、管理をする。また、複製物を作成した場合には、複製の時期、複製された記録媒体又は物件の名称を別紙のとおり記録し、相手方の求めに応じて、当該記録を開示する。(*6)

④漏えい、紛失、盗難、盗用等の事態が発生し、又はそのおそれがあることを知った場合は、直ちにその旨を相手方に書面をもって通知する。

⑤秘密情報の管理について、取扱責任者を定め、書面をもって取扱責任者の氏名及び連絡先を相手方に通知する。(*7)

2.甲又は乙は、次項に定める場合を除き、秘密情報等を第三者に開示する場合には、書面により相手方の事前承諾を得なければならない。この場合、甲又は乙は、当該第三者との間で本契約書と同等の義務を負わせ、これを遵守させる義務を負うものとする。

3.甲又は乙は、法令に基づき秘密情報等の開示が義務づけられた場合には、事前に相手方に通知し、開示につき可能な限り相手方の指示に従うものとする。

 

第3条(返還義務等)

1.本契約に基づき相手方から開示を受けた秘密情報を含む記録媒体、物件及びその複製物(以下「記録媒体等」という。)は、不要となった場合又は相手方の請求がある場合には、直ちに相手方に返還するものとする。

2.前項に定める場合において、秘密情報が自己の記録媒体等に含まれているときは、当該秘密情報を消去するとともに、消去した旨(自己の記録媒体等に秘密情報が含まれていないときは、その旨)を相手方に書面にて報告するものとする。

 

第4条(損害賠償等)

甲若しくは乙、甲若しくは乙の従業員若しくは元従業員又は第二条第二項の第三者が相手方の秘密情報等を開示するなど本契約の条項に違反した場合には、甲又は乙は、相手方が必要と認める措置を直ちに講ずるとともに、相手方に生じた損害を賠償しなければならない。

 

第5条(有効期限)

本契約の有効期限は、本契約の締結日から起算し、満○年間とする。期間満了後の○ヵ月前までに甲又は乙のいずれからも相手方に対する書面の通知がなければ、本契約は同一条件でさらに○年間継続するものとし、以後も同様とする。

 

第6条(協議事項)

本契約に定めのない事項について又は本契約に疑義が生じた場合は、協議の上解決する。

 

第7条(管轄)

本契約に関する紛争については○○地方(簡易)裁判所を第一審の専属管轄裁判所とする。本契約締結の証として、本書を二通作成し、両者署名又は記名捺印の上、各自一通を保有する。

 

令和__年__月__日

(甲)________

(乙)________

 

注記:

(*1)業務提携・業務委託等の事前検討・協議に際して秘密保持契約書を締結する場合のほか、その後の業務提携・業務委託に係る契約の中で上記の例のような秘密保持条項を盛り込む場合も考えられます。なお、本例のように、業務提携・業務委託に係る契約とは別に、事前の協議段階での秘密保持契約を締結する場合には、業務提携・業務委託に係る契約書において、別途、秘密保持契約書を締結している旨を明示し、それぞれが何に関連する秘密保持契約であるのか等、契約関係を明確にすることが有効です。

(*2)この他、業務提携・業務委託等に向けた検討の事実それ自体が秘密情報に含まれると定めることもあります。その場合、業務提携・業務委託の検討の事実については、第5条に定める有効期限は他の秘密情報と比べて相対的に短く、自動更新条項は置かずに6か月~2年程度となることが一般的です。また、業務提携・業務委託を合意した時点での当該業務提携・業務委託の事実についての公表は、事前に双方同意のもとで行う旨を併せて規定することも考えられます。

(*3)秘密保持の対象とする情報の定義と呼称(例えば、「企業秘密」、「秘密情報」など。)については、(参考資料2)各種契約書等の参考例191当該開示の趣旨や取引慣行等に応じて様々なものが考えられます。なお、上記では「一切の情報」と書いていますが、秘密保持の対象となる情報の特定ができる場合には、別紙でその内容をリスト化するなど(☞*4(第2項)を参照)、できる限り具体的に行うことが重要です。

(*4)秘密情報の対象をより明確化するためには、秘密保持の対象情報を別紙でリスト化し、随時更新することも考えられ、その場合にはこのような規定を追加することも考えられます。

(*5)口頭や映像等で情報が開示される場合に備え、このような規定を追加することも考えられます。

(*6)複製を行うことについては、事前の書面による承諾を求めると、受領者において情報の円滑な活用が阻害される可能性が懸念されます。そこで、また~以下のような規定を設け、いつどのような複製物を作成したかをリスト化し、返還・消去の対象を明確化することも考えられます。

(*7)取扱責任者等、秘密情報の授受を行う窓口を決定し、当該窓口経由でのみ秘密情報の開示を行う場合も考えられます。

秘密保持契約書(NDA)の見本についての解説

各条での記載について解説します。

第1条では、秘密保持契約書で対象とする秘密情報についての定義を行っています。どの様な情報に対して秘密保持契約の対象にするかを明確にする必要があります。書面だけでなく口頭や映像、電子的なデータも対象とする場合には、こちらで記載を行っておきましょう。

第2条では、秘密情報の取り扱い方について定めています。第三者への公開を禁止するとともに、厳重な管理を行うことを定めています。問題が発生した時の対応についても定めておくと安心です。

 第3条では、秘密情報が不要となった際の返却や廃棄について定めています。取引が終わった後には、最終的に相手側から秘密情報を引き上げておきたい場合がほとんどです。このため、秘密保持契約書の時点で最終的な情報の返却や破棄まで定めておくとスムーズです。返却ではコピーを残さないこと、破棄の場合には破棄方法まで指定しておくとよいでしょう。

 第4条では、秘密保持契約に反した場合の罰則および対応について定めています。契約書上で定めていることにより、罰則が法的効力を帯びます。

 第5条では、秘密保持契約の有効期間と期間終了後の扱いについて記載しています。契約書の締結相手との関係が長期的に続く場合には、特に契約の破棄を申し出なければ延長するように定めておくことで、契約書の期限切れで不用意に秘密が漏洩することを防ぐことが可能です。

 第6条では、本契約書に記載のない内容や契約書に記載された内容に疑問が生じた場合には、契約者間で再度すり合わせを行うことを定めています。このような記載を行うことで、秘密保持契約書に現時点では記載が無くとも、今後発生しうる新たな問題に対してフォローをすることが可能です。

 第7条では、管轄の裁判所について記載しています。契約書を用意した側の住所を管轄する裁判所を記載することが一般的です。契約書に記載された内容の履行に問題が発生した場合に、記載した裁判所にて第一審を行うこととなります。また、書面は二部作成し、契約の当事者がお互いに一通ずつ保有することもここで定めています。

 上記の第1条から第7条までが必須というわけではありません。よくある例として捉えてください。また、本項で扱っている見本に記載のない内容も必要に応じて適宜追加を行ってください。

秘密保持契約書(NDA)とは、事業者間での取引を始める際や企業が従業員と雇用契約を結ぶ際に、以降の取引や業務において知り得た契約相手の秘密情報を外部に流出させないことを約束する契約書です。企業の機密情報や個人情報などを取り扱う場合には、情報の流出によるトラブルを避けるために締結しておきたい契約の一つです。

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