「コストコントロール」、「コストリダクション」、「コスト削減」の違いとは？メリットや方法について解説
コストコントロール・コストリダクション・コスト削減についてみなさんは解説することができるのでしょうか。それぞれの違いについて少しでも理解につながれば幸いです。
今回は、そのコストコントロール・コストリダクション・コスト削減のそれぞれの特徴と概要や考え方について解説していきたいと思います。
コストコントロール
コストコントロールとは、製造段階でのコスト削減を指します。低コスト体制で高付加価値商品を提供することができれば、ライバル企業よりも大きな利益を得ることができ収益性を高める効果があるため非常に重要な考え方です。主に売上原価に着目している点が特徴です。
たとえば、投入した原材料を効率的に製品化できるようにしつつ不良品発生率を減らすことがよく行われますが、こうした取り組みはコストコントロールにあたります。
人員的な目線に変えると、製品の生産性を向上させるために、作業人員のスキルアップで個々のレベルを上げて品質を保つ手法や業務フローの見直し、「報連相」の徹底や異常発生時での処置を迅速化により、大量不良を抑える動きなどもコストコントロールにあたります。
コストコントロールとは、現場の業務コストに対して、材料・人員・設備・エネルギーに無駄が生じていないかなどのコスト統制での無駄の排除によって、コストを減らしていくことです。成功のカギは、従業員に与えられた仕事が計画通りに遂行できるかどうかにかかっています。
例えば
・適切な計画が立てられているか
・計画の周知が徹底されているか
・実績は正確に計算されているか
・標準と実績の差を正確に把握しているか
などと言ったことが具体的なポイントになります。
計画通りに活動が進まなければ、計画した標準コストと実際のコストとの間に差が生じてしまいますが、この差をなくすことがコストコントロールの目標となります
コストリダクション
コストリダクション(cost-reduction)とは、そのままコストを縮小・削減させるという意味を持ちます。この、コストリダクションの方法はいくつかあり、仕入れ先を見直して安い業者にすることや、作業効率や生産方法を見直して廃棄ロスや停止ロスを減らしたり、完成品の在庫管理方法を見直して消耗品や死蔵品などは発生しない使い方を見直す方法などがあります。
コストリダクションとは標準コストを下げる事を指し、この標準コストは現状の調達方法やシステムによって決められたものです。より効率的な方法やシステムに改善することができれば、標準コストそのものを引き下げることが可能です。
この改善ポイントは、現在の標準コストより更に低い目標コストを設定することからはじまります。
実際のロスをなくすための活動を「コストコントロール」といい、機械ロスを排除しようとすることを「コストリダクション」といいます。そのため、実行するうえでこの2つは明確に分けて進める必要があります。
「コストコントロール」では、標準コストの遵守を管理する必要があります。守られていなければ、原因を突き詰めて遵守できるような標準づくりをしていきます。
「コストリダクション」では、標準コストを決めている要素・要因を見直して、その製品の機能は何であるのかを明確にし、機能を果たすために投入している資源を組み替えたり、簡素化したりして改善活動を行っていきます。
コスト削減
コスト削減とは、無駄なコストを削減して利益をあげるために行う取り組み全体を指します。それによって、削減した費用を利益や企業価値の向上につながる投資に回すなどのコストの最適化が可能になるのです。
コスト削減は、限りあるコストを有効に活用するための取り組みでもあるのです。
数字として目に見えるコストとは、家賃・人件費・水道光熱費・通信費・印刷費などが挙げられるかと思います。逆に、見えないコストとは、1つ1つの作業の時間にかかる工数が挙げられます。
コスト削減の目的は利益を増やすことです。実際には各企業で無駄なコストについて徹底的に調査し、削減のための具体的な目標や数値に落とし込みます。
その際に、コスト削減によって実現したいビジョンに基づいて、達成するための目的を設定することが大きなポイントになります。
明確な目的があることで、社員や職場内の納得感が得られて初めてコスト削減への意欲や自律性が高まります。それによって、取り組み活動にも継続したコスト削減が可能になるのです。
社員や職場内の納得が得られなければ、取り組みの失敗に直結するため作業者の理解を得ることはコスト削減させるために非常に重要です。
コスト削減は一時的な改善では意味がありません。企業は利益を継続して出していかなければならず、コスト削減も恒常的に必要な取り組みです。
コスト削減を習慣化するためには、計画、実行、改善のプロセスを何度も繰り返し行うことで、効率化していく必要があります。
手順の流れとして
- 現状の課題把握と、削減プランの作製
- プランの実施・共有
- 実施した結果を分析・検証
- 改善を行う
以上のように、1〜4を繰り返し行って行くことが必要不可欠です。
コスト削減を行ったことによって得られる効果（メリット）として次が挙げられます。
・コスト削減の取り組みにより、業務が効率化する
・従業員の労働生産性が向上する
・企業の価値が向上する
・中長期的には従業員にとってもリターンを見込めるので、モチベーションアップにもつながる
現場の業務の効率化が可能になり、全体的な生産性向上が期待できます。
まとめ
コストコントロール・コストリダクション・コスト削減では、似てるようで用途に違いがあります。内容を理解し使い分けることで、企業には大きな利益を与え、従業員のモチベーション・企業価値の向上に大きく貢献することとなります。
調査側としては、企業の手の届きにくい箇所に深く追求し真相が深堀りできるため、どこにどれだけ無駄が生じていたのかが発見することができ、形や数値にして効果が確認ができます。
企業としてのコストとは永遠の課題でもありますし、目標でもあります。日々の業務でコストに対しての意識をもつことも重要です。
