間接材とは?直接材との違いや例、調達・管理を最適化する方法を解説

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間接材とは
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間接材は、売上や生産に直接かかわらない資材のことを指します。

直接材と異なり単価が低いことから、多くの企業で適切に管理されておらず、過剰在庫やコスト高などの問題を抱えているのが現状です。

しかし、調達・管理を最適化することで、企業のコスト削減・業務効率化に大きく貢献する可能性を秘めています。

 

本記事ではまず、間接材と直接材との違い・種類・例など間接材の基礎知識を解説します。

その後、間接材の発注・管理におけるありがちな問題と、解決する方法についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。


間接材とは?基礎知識を解説

間接材という言葉は聞いたことがあるものの、直接材との違いや、実際にどのようなものが該当するのかわからないという方もいるでしょう。

 

そこで本章では、間接材に関する基礎知識を解説します。

間接材と直接材の違い

事業活動に必要な資材は、大きく分けると「間接材」と「直接材」の2つに分けられます。

 

それぞれの違いは以下のとおりです。

 

・間接材:事業活動に必要な資材のうち、生産に直接かかわらない購買品のこと

・直接材:事業活動に必要な資材のうち、生産に直接かかわる購買品のこと

 

一般的には、生産に直接かかわるか否かで間接材なのか、直接材なのかが分類されることが多くなっています。

 

なお、間接材は「間材」や「副資材」、直接材は「直材」と呼ばれることもあります。

間接材の種類

簿記の世界では、材料費は用途ごとに以下の5つに分類されます。

 

・主要材料費

・購入部品費

・補助材料費

・工場消耗品費

・消耗工具器具備品費

 

このうち「補助材料費」「工場消耗品費」「消耗工具器具備品費」の3つが間接材にあたり、残りの「主要材料費」「購入部品費」が直接材にあたります。

 

一般的に、間接材は販売費・一般管理費に、直接材は売上原価(製品製造原価、仕入原価)に計上されます。

実際の現場での間接材の例

間接材は、事業を運営していく上で必要となるあらゆるサービス・モノが対象となります。

 

間接材の例は以下のとおりです。

 

・事務用品

OA機器やソフトウェア

・宅配

・宣伝広告

・マーケティング

・採用

・カーリース

・ビル管理

・出張経費

 

間接材は生産にかかわる直接費以外のすべての経費なため、トータルすると大きなコストになる傾向があります。

間接材の発注・管理における現場で起きがちな問題6選

生産に直接かかわる直接材の管理は厳格に行っている会社でも、間接材の管理については問題を抱えているケースが少なくありません。

 

間接材は生産に直接かかわらないという性質から、管理水準が低くなり、あらゆる問題が起こってしまいがちです。

 

本章では、間接材の発注・管理における現場で起きがちな問題を6つご紹介します。

発注しなければならない品種・点数が多い

間接材は、直接材と比較すると仕入れ先や品目が多いのが特徴です。

 

そのため、管理が煩雑化しやすく、担当者がすべてを把握するのが非常に難しいことも課題として挙げられます。

 

例えば、品目が多くなると棚卸資産の把握が難しくなるため、間接材の調達コストの管理に負担がかかります。

 

このように、間接材の管理が煩雑化すると担当者・担当部門に負荷がかかり、業務効率が悪くなってしまうことは問題といえるでしょう。

過剰な在庫が発生してしまう

間接材の購買を事業所・個人に任せると「念のため」という不確かな理由で余分に発注し、過剰な在庫が発生してしまう可能性があります。

 

さらに、生産設備や業務体制が変更になった場合、過剰に抱えていた在庫が使えず、そのまま廃棄になってしまう問題が発生することも考えられます。

同じ資材が別名で登録されてしまう

間接材の発注を現場任せにしてしまうと、同じ間接材であるにもかかわらず、違う名称で登録されてしまうこともあります。

 

これにより、実際には在庫が十分にあるにもかかわらず追加で購入され、コストの無駄が発生してしまう可能性もあるのです。

仕入先が多くコストの均一化が図れない

一般的に間接材は、事業所単位で発注されることが多いため、本社から仕入先を指定していない場合は、それぞれが自分たちのニーズに合ったサプライヤーを選定します。

そのため、会社全体で見ると、仕入先が多くなりがちです。

 

事業所ごとにサプライヤーがバラバラだと、同じものを発注したとき、一方は安く仕入れられ、もう一方は割高な価格で仕入れてしまっているというケースが発生する可能性が考えられます。

 

「同じ品質のものを可能な限り安く仕入れる」が間接材発注の基本ですが、事業所単位での発注はこの原則が守れないため、コストが膨らんでしまうのです。

少量発注によりコスト削減が難しい

一般的に、直接材は本部で一括発注されることが多いですが、間接材は各事業所単位もしくは部署単位で発注するケースが少なくありません。

 

そのため、ボリュームディスカウントが受けられず、一括調達よりもコストが上がってしまうことがあります。

 

これによりコストが上昇し、会社の利益を圧迫してしまうことが考えられます。

間接材の調達・管理の全体像が把握できない

間接材の発注を部署・個人単位に任せている場合、調達・管理の全体像が把握できず、万が一ミスや不正が発生した場合にも見過ごしてしまう可能性があります。

 

例えば、取引先と担当者の間で癒着が発生し、コストの最適化が図れなくなるほか、コンプライアンスの問題が発生することもあるかもしれません。

 

また、部署・個人が独自に発注を進めることで「信頼できるサプライヤーから調達しているか」「注文書は発行されているか」を購買管理部などが確認できなくなってしまう可能性もあるでしょう。

 

このように、間接材の調達・購買管理ができなければ、不正の温床の原因になったり、業務効率の低下を招いたりする恐れがあるのです。

間接材の購買・在庫管理を最適化する3つのポイント

間接材の購買・在庫管理には多数の課題が発生するケースが多く、最適化しなければ業務効率の低下やコストの上昇など、常に問題を抱え続けたままになってしまいます。

 

そこで本章では、間接材の購買・在庫管理を最適化するために押さえておきたいポイントを3つご紹介します。

間接材の購買状況・支出・在庫の状況を見える化する

間接材の購買状況・支出・在庫の状況がブラックボックスの状態では、何が・どれだけ・いつ必要なのかがわからないため、過剰在庫や欠品といった事態が発生してしまいます。

 

購買状況や支出などのデータを見える化することで、間接材の利用頻度がわかり、どの程度在庫として抱えておけばよいかがわかるため、発注・在庫の適正化が可能になるのです。

また、必要でない間接材についても洗い出しできるため、コストの無駄を削減する効果もあります。

 

ただ、間接材は品種や点数が多く完璧な可視化は難しいため、初めのうちは概算である程度把握するだけでも負担が少なくて済むでしょう。

間接材の発注先を集約する

間接材の発注先を事業所ごとに決め、バラバラに調達している状態では、まとめ買いによるボリュームディスカウントが受けられない、コストの標準化が図れないなど、無駄なコストが発生しやすくなります。

 

間接材の発注先を集約することで、サプライヤーごとの取引量が増え、スケールメリットを活かした発注単価の交渉がしやすくなるでしょう。

 

また、間接材の発注先をまとめることで「同じ品質のものを可能な限り安く仕入れる」という間接材調達の原則を守れるため、コストの最適化が図れ、調達コストの削減が望めます。

間接材にかかる業務を一元化する

間接材の発注・管理が担当者・事業所ごとの状態では、不正の温床になる、業務が煩雑になるなど、課題が多く生まれてしまいます。

 

間接材の発注・管理を一元化することで、発注業務を透明化できるため、不正防止に役立ちます。

また、バラバラに行っていた間接材業務を一箇所にまとめることで、発注担当者の手間を削減できるでしょう。

 

このように、間接材の発注・管理を一元化することには多くのメリットがあるため、業務最適化を図るのであれば検討をおすすめします。

間接材の購買・在庫管理を最適化する具体的な2つの方法

間接材の購買・在庫管理を最適化する3つのポイントを、実際の現場に落とし込むためには、何かしらの手段を実施する必要があります。

 

そこで本章では、間接材の購買・在庫管理を最適化する具体的な2つの方法をご紹介します。

間接材を分散購買から集中購買に変更する

現状、間接材の調達を事業所・部門単位で行っているのであれば、本部などで一括発注する「集中購買」に切り替えることで、間接材の購買・在庫管理を最適化できる可能性があります。

 

集中購買では、各事業所の発注依頼を本部などで取りまとめ、必要な間接材をまとめて発注するため、発注単価の交渉がしやすかったり、コストの均一化が図りやすかったりといったメリットが享受できます。

 

また、業務を一元化できるため、事業所ごとに「いつ・何を・どれだけ」資材が必要なのかが管理しやすくなるでしょう。

 

一方で、納入までにタイムラグが発生する、本部の購買担当の業務負担が増えるなどのデメリットもあるため、メリットと比較したうえで検討することをおすすめします。

◆集中購買のメリット・デメリットについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
集中購買のメリット・デメリットとは?分散購買と徹底比較

購買管理システムを導入する

間接材の購買・在庫管理を最適化するなら、購買管理システムの導入もおすすめです。

 

購買管理システムでは間接材購買の情報を一括管理でき、仕入先・購買状況・在庫数などがリアルタイムで把握できます。

これにより、仕入先の選定や間接材の調達プロセスの改善、発注先との価格交渉に役立てられます。

 

また、間接材の購買・在庫管理が適切に行えるようになれば、不正発注の防止や業務効率化にもつながるでしょう。

 

各事業所で発注している間接材の調達状況が一元管理できるため、自社の購買・在庫管理の最適化に取り組みやすくなるでしょう。

購買管理システムで間接材の購買・在庫管理を最適化するなら「intra-mart Procurement Cloud」

NTTデータイントラマートの「intra-mart Procurement Cloud」は、間接材をはじめ、商品・サービス全般の調達・管理を最適化するためのツールです。

 

調達・購買情報(見積・発注・検収・請求)のデータが企業間ですべて紐づけされるため、システムの自動化による内部統制が容易になります。

これにより、不明瞭な支払いや財務報告の信頼性の確保が可能です。

 

また、サプライヤーとの取引(契約・見積・受発注・請求・支払)についてもワンストップ?で行えるため、業務効率化にも寄与します。

 

購買管理システムで間接材の購買・在庫管理の最適化をお考えであれば、お気軽にお問い合わせください。

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まとめ

間接材は、事業活動に必要な資材のうち、生産に直接かかわらない購買品のことです。

 

その性質上、直接材と比較すると管理水準が低くなるケースが散見されますが、コスト増や業務効率の低下につながる可能性があるため、しっかり管理する必要があります。

 

本記事では、間接材の購買・在庫管理を最適化する方法として分散購買から集中購買への変更、購買管理システムの導入をご紹介しました。

 

自社の状況やニーズに合ったものを選択し、間接材の購買・在庫管理を最適化させ、コスト削減・業務効率化を叶えましょう。

 

もし、購買管理システムでの間接材の購買・在庫管理の最適化をお考えであれば「intra-mart Procurement Cloud」をご検討ください。

データの見える化、企業間取引のワンストップ化の実現で、間接材の購買・在庫管理の最適化を叶えます。

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