intra-mart Procurement Cloud
カタログ購買は、商品目録を使って購買することを指します。
一方パンチアウト連携は、カタログと購買管理システムを連携させることを指すことばです。
しかしカタログ購買やパンチアウト連携に関する詳しい情報を把握しておらず、どことなく不安が残ったまま業務にあたっているご担当者さまもいらっしゃるでしょう。
基本情報や定義をおさえ、的確な改善方法に取り組むことが、効率化するためには重要なポイントとなります。
カタログ購買の種類とそれぞれのメリット・デメリット、パンチアウト連携のメリット・デメリットなどを、あらためて確認しておきましょう。カタログ購買とは、購買する製品の情報をまとめた目録(カタログ)を使って発注することをいいます。
直接材・間接材を問わず、広く利用される購買方法です。
冊子のカタログだけでなく、コンピューター上のファイルやシステムを使って情報をまとめた電子カタログも活用して、効率化を図るケースが多く見られます。
カタログ購買を導入すると、類似製品を比較・検討するのが簡単になります。
また電子カタログの場合は、購買状況が一元化されるため、購入頻度の高い製品を把握しやすくなるのも大きなメリットです。
カタログ購買に用いられるカタログは、おおまかに「内部カタログ・ローカルカタログ」と「外部カタログ」の2種類に分けられます。
それぞれ特徴が異なるため、それぞれ確認しておき、どちらを導入すべきか検討しましょう。
内部カタログ・ローカルカタログとは、Excelファイルやcsvファイルで作成された、静的なファイルを指します。
製品やサービスに関連するデータを記載しておくことで、登録済みの製品のみ購買できるようにするタイプのカタログです。
主に、下記のようなケースで用いられる傾向にあります。
内部カタログ・ローカルカタログには「作成が簡単で、スムーズに導入できる」「記載した製品のみ購買できるため、不正購入が起こりにくい」などのメリットがあります。
一方で、最新情報へのアップデートに手間がかかる点がデメリットとなるでしょう。
なお「CIFカタログ」「ホストカタログ」と呼ばれることもありますが、意味は内部カタログ・ローカルカタログと同じです。
外部カタログとは、サプライヤーが公開するECサイト・販売サイトを指します。
内部カタログと異なり、最新の商品情報や在庫状況にアクセスでき、効率的に購買ができるのがメリットです。
しかしサプライヤーごとにカタログ(ECサイト)の仕様・UIが異なるため、購買担当者はそれぞれの使い方に慣れる必要があります。
また、バイヤー企業用に特別なパンチアウトサイトを構築する場合もあります。
この場合は、バイヤー・サプライヤー間で事前に取り決めた特定の商品を契約価格で掲載でき、内部カタログと外部カタログ双方のメリットを取り入れられるでしょう。
パンチアウト連携(外部カタログ連携・外部サイト連携)とは、購買管理システムと外部カタログを連携させることをいいます。
システムを連携させることで、外部カタログで選択した商品情報をもとに、購買申請・承認・発注の業務を購買システム上へ集約できるのが大きなメリットです。
またパンチアウト連携をすれば、購買管理システム上で横串検索(複数の外部カタログを横断した検索)も可能になります。
くわえて情報が集約され購買状況をチェックしやすくなり、不必要な物品の購入や重複購入などの不正・ミスを防止し、内部統制を高める効果も期待できます。
効率化とガバナンス強化の観点から、昨今重視されている取り組みです。
パンチアウト連携をした際の、基本的な購買務フローは下記の5ステップにまとめられます。
cXMLは、SAP社がオープン規格として出している拡張子です。
外部カタログと購買か管理システムを連携させる際に、重要な役割を担っています。
たとえばcXMLがない場合には、ファイルをシステム間で移動させる際に、常にファイル転換をしなければなりません。
すると手間・時間がかかるだけでなく、トラブル・ミスの要因となってしまい、業務効率の悪化を引き起こす可能性があります。
システムを連携させようとする際には、cXML連携に対応しているかを確認しておくとよいでしょう。
外部カタログをパンチアウト連携して使うと、主に4つのメリットを期待できるようになります。
下記についてご紹介するため、ひととおり確認しておき、導入すべきか判断できるようにしておきましょう。
パンチアウト連携をする場合は、外部カタログを使うことになります。
内部カタログから外部カタログへと切り替えれば、商品価格・品番・ロット数などのマスタ情報を更新する手間を省けます。
カタログのメンテナンスにかかる手間を削減でき、購買部や各部署にいる購買担当者の業務効率化に役立つでしょう。
購入フローが整備されず、各自がバラバラの外部カタログを使って購買すると、購買状況を把握しにくい環境になってしまいます。
管理が行き届かない場合、割高な価格での購買、重複した物品の購買、私用の物品も含めた購買などの不正・ミスが生じやすくなり、ガバナンスの面でも問題が生じてしまうでしょう。
パンチアウト連携によって実績情報を一元化すれば、購買実績の把握・分析をしやすくなります。
担当者がそれぞれ「いつものサイト」から購入しても、購買管理システムや会計システムと連携されるため、チェックが可能です。
またパンチアウト連携によって在庫管理・購買承認プロセスを適正化できれば、サプライヤーに対して都度見積を依頼する頻度が減り、サプライチェーン最適化に対する効果も期待できます。
サプライチェーン最適化について詳しくはこちら:サプライチェーン最適化とは?業界別の取り組み事例もチェック
パンチアウト連携によって、購買にかかる業務工数を減らせるのも大きなメリットです。
通常、要求部門が社内で購買申請をするときと外部カタログで購入するとき、2回にわたって同じ内容を入力しチェックする必要があります。
パンチアウト連携をすれば、外部カタログで入力した情報をそのまま申請に使えるため、入力と確認の手間を減らせるでしょう。
また各種外部カタログサイトへのログインの一元管理もできる場合があり、購買活動をよりスムーズに済ませられます。
パンチアウト連携によって情報を一元管理すれば、ガバナンス強化ができ、不正やミスを予防する効果が期待できます。
たとえば、承認が下りていない商品の購入や、私物の同時購入を防げるでしょう。
また重複購入を避け、在庫数を適切に管理できるようになります。
さらに横串検索ができるようになることで、よりコストをおさえた購買活動を実現できるのも大きなメリットです。
「外部カタログとパンチアウト連携する」と一口に言っても、連携先にはさまざまなサイトがあり、どこを利用すべきか悩んでしまう方もいらっしゃるでしょう。
そこで下記に挙げる、メジャーな外部カタログサイトの特徴をご紹介します。
ひととおり確認し、連携先を絞り込むのにお役立てください。
Amazonビジネスは、事務用品を中心に多岐にわたる製品を扱っている外部カタログです。
通信販売機能が使える個人ユーザー向けのAmazonとは、下記の点が異なります。
産業・研究開発用品カテゴリには、切削工具や産業用金具、研究開発用品、工業用計測器、業務用医療用品なども含まれています。
使い慣れている人の多いUI・サイトを活用したい場合に適した外部カタログサイトといえるでしょう。
アスクルもAmazonビジネスと同様に、事務用品をはじめとした豊富なラインナップをカバーした、オールラウンダータイプの外部カタログです。
カテゴリ分けが細かく、それぞれで売れ筋ランキングが簡単に確認できます。
またアスクルの冊子カタログや、ウェブ上で無料閲覧できるデジタルカタログと併用すれば、製品選びもスムーズに進められます。
特定の製品ではなく、いくつかある候補のなかから選んで購入したい場合に適した外部カタログです。
モノタロウは、製造業向けの外部カタログです。
事務用品もありますが、とくに工具類・資材・クリーンリーム用品などの取り扱いが多く、専門分野の細かな部品も見つけやすいのが特徴です。
またエコロジープロダクトに限定した絞り込みもでき、SDGsを意識して事業展開をしていきたい場合に適した外部カタログともいえます。
文房具メーカーのコクヨが運営するカウネットは、事務用品の取り扱いがメインの外部カタログです。
困りごと解消にむけた独自開発品「カウコレプレミアム」、消耗品を格安で購入できる「カウコレ」、オーダーメイド品を製作できる「かうねっと工房」などの独自サービスを展開しているのが特徴です。
より便利な事務用品、よりお得な事務用品を購入できる外部カタログを探している場合に適しています。
ミスミは、メカニカル部品、電気系・金型系の製品をメインに扱う外部カタログです。
また図面加工品の発注にも対応しており、オリジナル部品の製造も可能。
まとめ買いなら最大94%オフなど低価格で購入できるため、メカニカル系の部品を購入する際にまず確認しておきたい外部カタログといえるでしょう。
パンチアウト連携には多くのメリットがありましたが、一方で、注意すべき点やデメリットもあります。
主な注意点としては、たとえば、下記のことが挙げられるでしょう。
パンチアウト連携時には、外部カタログと購買管理システム間で、選定・申請・発注などの情報をやりとりする必要があります。
普段利用している外部カタログと購買管理システム・会計システムがパンチアウト連携できるかを、あらかじめ確認しておくことが大切です。
ベンダーのサイトをチェックするほか、必要に応じて問い合わせをしておきましょう。
またより効果的な購買活動をするにあたっては、常にサプライヤーを新規開拓する視野も持ち合わせておく必要があります。
しかしパンチアウト連携によって簡単に複数のサプライヤーを比較できるようになったことで満足してしまい、新規開拓がおろそかになるケースも見受けられます。
上記の点を把握しておき、念入りに事前確認をしたうえで、常によりよいサプライヤーを見つける姿勢を意識して導入することが重要です。
「購買業務を効率化したい」「より効果的な購買をしたい」とお悩みの場合は、ぜひ「intra-mart Procurement Cloud」もチェックしてください。
「intra-mart Procurement Cloud」は、ソーシングから支払いまで、企業間取引をワンストップで完結できるクラウド型の調達・購買システムです。
もちろんカタログ購買機能も搭載されており、下記のことが可能です。
社内購買業務の効率化に役立つ機能を搭載しています。
またパンチアウト連携機能も搭載を予定しており、さらに便利にご活用いただけるようになります。(※2024年6月時点の情報です)
詳しくは、下記のページからご確認ください。
カタログ購買は、商品目録を用いて購買する取り組みを指すことばです。
また使うカタログの種類によって、内部カタログによる購買、外部カタログによる購買に分けられ、それぞれ特徴が異なります。
パンチアウト連携は、上記のうち外部カタログを用いる際に使われるもので、購買管理システムと情報を共有するために必要です。
カタログの種類ごとのメリット・デメリットや、パンチアウト連携を導入するメリット・デメリットにはさまざまなものがあります。
この記事でご紹介した内容を参考にして、慎重に検討を進めましょう。