intra-mart Procurement Cloud
パンデミック、インフレなどの影響で業績悪化や収益減少に直面する多くの企業にとって、無駄な支出を省き、迅速に経営を立て直すことは喫緊の課題となっています。
その中で、調達購買部門は、利益に大きな貢献できる機能として大きな期待を背負ってきました。
これまでも、基幹システムの導入などのIT投資で全体最適化を追求してきましたが、これまで以上の攻めのDXが求められてきており、デジタル投資の強化を検討する企業が増えています。
デジタル化を通じて調達を変革するProcurement Transformation(PX)によるビジネスモデル変革は、直接的な収益追求効果が高く、調達による攻めの経営貢献になります。
ビジネスモデル変革
ビジネスモデルとは、商品やサービスなどの付加価値の提供及びその利益を獲得する仕組みを指します。
ビジネスモデル変革は、市場の変化に適応し、競争力を維持または向上させることです。
変化するビジネス環境に適応し、競争力を維持するための重要です。
調達のおける課題は以下の通り幅広いテーマに対応する必要があります。
・業務の効率化
・コスト削減(投資効率の最大化、支出の最適化)
・サプライヤーマネジメント
・調達リスク
・コンプライアンス
・サスティナビリティ
調達・購買DXによるビジネスモデル変革(PX Procurement Transformation)のロードマップは、
①調達戦略 (Strategy)、②業務プロセス変革(Process)、③組織・制度設計(Organization)、④システムの活用(Tecnology)の流れで実施します。
①調達戦略 (Strategy)
経営戦略と整合性のとれた調達戦略シナリオを策定します。
②ビジネスモデル変革(Process)
調達戦略を実現するための有効なビジネスモデルやそれを実現するための業務プロセスの設計又は改革を行います。
③組織・制度設計(Organization)
業務プロセスを効率的かつ継続的に実行できる組織、精度を設計します。
④システムの活用(Tecnology)
システムを活用し、業務を効率化し継続的に実施されてることをモニタリングします。
主要な検討項目
・調達理念、目的、価値観
・調達方針(費目別)
・中期/年次調達計画
調達理念を浸透させることで、組織の目的や価値観に基づいた明確な理念を策定し、全社員に共有することで、組織全体で一貫性を持ったアプローチが可能になります。
また、経営者や幹部層は調達の重要性を認識し、単なるコスト削減だけでなく、サプライヤーとのパートナーシップ構築やリスク管理にも注力する必要があります。
さらに、中期調達計画の策定や調達先の選定基準の明確化など、調達戦略の中期計画を立てることも重要です。
これらの取り組みを通じて、調達機能は企業の成功に不可欠な要素となり、持続可能な成長を支えることができます。
主要な調達・購買業務
・ユーザマネジメント(仕様適正化、標準仕様等)
・ソーシング
・サプライヤーマネジメント(サプライヤー選定、交渉、評価等)
・パーチェシング(見積、契約、発注、検収、支払)
・コストマネジメント
・内部統制、ガバナンス、コンプライアンス
ビジネスモデルとは、商品やサービスなどの付加価値の提供及びその利益を獲得する仕組みを指します。
ビジネスモデル変革は、市場の変化に適応し、競争力を維持または向上させることです。
ビジネスモデル図
事業のスキームを、人、モノ、金、情報の関係性で構造化した図です。
ビジネスモデルキャンバス
ビジネスモデルキャンバス(Business Model Canvas、BMC)とは、ビジネスモデルを明確かつ効果的に可視化するためのフレームワークです。
ビジネスの構成要素を9つに分類し、視覚的な図にまとめることで、戦略の策定や意思決定をサポートする際に活用します。
バランストスコアカード (BSC: Balanced Scorecard)
企業のビジョンと戦略を実現するために、「財務」「顧客」「業務プロセス」「学習と成長」という4つの視点から重要業績評価指標(KPI Key Performance Indicator)を洗い出し、評価・分析する方法です。
BPRとは、Business Process Re-engineering(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の頭文字を取ったもので、日本語では「業務改革」と訳されます。
プロセスの観点から全社的に業務のフローや、情報システム、組織や職務などを見直して、再構築することをいいます。
80年代の後半に生まれ、マサチューセッツ工科大学の教授だったマイケル・ハマー(Michael Hammer)と、経営コンサルタントのジェイムス・チャンピー(James A. Champy)が1993年に出版した「Reengineering the Corporation: A Manifesto for Business Revolution(リエンジニアリング革命)」のベストセラー化によって広まりました。
(参考)
BPRとは? ~業務改善との違いからメリット・デメリット、成功事例までわかりやすく解説~
BPRの進め方としては、目標を設定し、現状分析(As-Is分析)を実施します。
現状が複雑で課題がたくさんある場合、この現状分析を網羅的に実施しようとすると非常に多くの時間が浪費されてしまいます。
しかし、目的は、あるべき姿(To-Beモデル)を策定することであるため、ゼロベースでTo-Beモデルを策定しながら必要に応じて現状調査、分析を行うことが現実的です。
実際には、現状分析をほとんど行わずに、To-Beモデルの策定から開始するアプローチもよくとられる手法です。
目標設定、現状分析(As-Is分析)、To-Beモデル策定について説明します。
BPRを実施する目的を明確にし、目的に則って目標を設定し、丁寧に周知徹底します。
業務範囲を設定しましょう。部分的にスタートする場合は、優先度の高い業務から実施します。
その対象業務をこのフェーズで明確にしておきます。
明確にした目的や目標を踏まえ、対象業務の従事者に対してヒアリングを実施し、現状を調査、分析を行います。
具体的には以下のようなアウトプットを作成します。
帳票一覧
帳票一覧は、業務で使用されている帳票の一覧です。
帳票の名称、利用配置、利用目的、対応するシステム、帳票の発行頻度などが記載されます。
例えば、見積依頼(RFQ)、基本契約書、注文書、注文請書、納品書、検収書、支払通知書、請求書などが含まれます。
業務一覧
業務一覧は、業務の種類や内容をリスト化したものです。
例えば、調達業務、購買業務、請求業務、支払業務などが含まれます。
業務プロセス一覧
業務プロセス一覧は、業務がどのように行われるかを示す一覧です。各業務の名前、内容、担当配置、発生頻度、プロセスオーナーなどが含まれます。
例えば、見積依頼、購買要求、発注申請、検収、支払依頼、会計計上などが含まれます。
アクティビティ一覧
業務プロセス内の個人のアクティビティやタスクをリスト化したものです。
項目としては、業務、業務プロセス、アクティビティ名、部署名、頻度、リードタイム、利用システム、帳票などが想定されます。
業務フロー
業務フローは、業務プロセスの流れをグラフィカルに表したものです。
BPM(Business Process Management)(*1)での作成は大変効果的です。
BPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法)のプロセス図を作成可能なツールが無償で提供されていますので使ってみてください。
(*1)BPM(Business Process Management)とは、
業務プロセスの現状を把握し、変更や改善を行うことで、本来あるべきプロセスに継続的に近づけていくための業務管理手法です。
(*2)BPMNとは、ビジネスプロセス・モデルと表記法(Business Process Model and Notation)の略です。
現在のバージョンが2.0になります。マルチベンダーで構成されているOMG(Object Management group)によって維持されている国際標準(ISO19510)です。ビジネスプロセス・モデルとは、いわゆる「業務フロー」です。
(参考)
BPMコンソーシアム
(参考)
現場からはじめる業務改革intra-martで業務プロセス改善
無償のBPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法)ツール
課題一覧
課題と対応策を表にまとめた一覧表です。
各種マトリクス分析表
部署‐業務プロセス、業務‐システム(機能)、リスク‐コントロール(統制)
プロセスマイニング
プロセスマイニングは、企業が日常的に行っている業務を振り返り、具体的な改善点を見つけて効率化を図る手法です。
システムのイベントログデータを分析して、業務の処理パターンを可視化することができます。
また、客観的なデータの分析を基本に置いておるため、課題の洗い出しを主観的に行えます。
プロセスマイニング分析では、業務プロセスの無駄を発見することを目的にしています。
理想よりも時間がかかっていたり、従業員ごとに手順が違っていたりする部分を見つけ出し、解決することができます。
無償のプロセスマイニングツール
ToBeモデル(業務設計及び改善)は、以下のステップで行うことが重要です。
②のみですと視点が狭い、現状業務の改善で終わってしまうことがありますので注意が必要です。
①戦略、方針により洞察力・創造力を働かせ「あるべき姿」をゼロベースでTo-Beモデルを策定する
②現状分析(As-Is)から延長線上でTo-Beモデルを策定する
③①と②を対比したうえで課題抽出を行う
To-Beモデルを策定する上では以下のツールやフレームワークが効果的です。
ECRS(イクルス)
現状の業務を効率化する改善策を考えるためのフレームワークです。
施策を考えるヒントにすることができます。もれなく施策を洗い出してみることがポイントです。
(E)そのプロセスをなくせないか(Eliminate)
(C)そのプロセスを他のプロセスと統合できないか(Combine)
(R)プロセスの順序の変更はできないか(Rearrange)
(S)そのプロセスをもっとシンプルにできないか(Simplify)
その他、業務改革(BPR)の一般的な施策は以下の通りです。
標準化 業務プロセスを統一し、効率化を図ります。
一元化 情報やリソースを一元化し、管理を効率化します。
集約化 同種の業務を一箇所に集約し、効率化を図ります。
アウトソース 非コア業務を外部に委託し、コア業務に集中します。
統制の見直し 業務プロセスの統制を見直し、無駄な承認業務などを排除します。
自動化(システム化) ITを活用し、業務プロセスを自動化します。
平準化 業務の負荷を均等に分散させ、効率化を図ります。
分散化(セルフサービス) 業務を利用者自身に分散させ、効率化を図ります。
定着化
改革を組織文化に根付かせ、持続可能な改善を実現します。規程・要領の作成、周知、教育を行います。
新しいプロセスでの業務について評価するために、モニタリングを行います。
現場の担当者に対して、各業務にかかっている工数・時間、ミスの発生数・率などの具体的な数値をヒアリングしましょう。
業務モニタリングで得た数値と、目標値を比較して、効果測定・達成度評価を行います。
また、改善につなげるため、数値以外の定性的な評価も行いましょう。
この時も、現場の担当者へのヒアリング内容が元となります。
調達業務や購買業務は企業にとって重要な業務であり、さまざまなリスクが存在します。
架空発注、取引先との癒着、横領、水増し請求、業務の属人化などが挙げられます。
BPRで効率化をする視点に加えて、内部統制を業務に整備していかなければなりません。
効果的かつ効率的な内部統制を整備するためには、固有リスクと統制リスクを理解し、意識していくことがよいでしょう。
固有リスクは、ある業務を実行する際に本来伴うリスクのことです。
例えば、製品の品質が満足いくものであるかどうかは製造業者に依存します。
購買担当者が製品を注文する際、製造業者の品質管理に関する情報を調査し、信頼できる製造業者を選定することで、固有リスクを最小限に抑えることができます。
一方、統制リスクは、組織が業務を遂行する際に、内部統制や管理プロセスがうまく機能しないことによって生じるリスクです。
例えば、購買担当者が正確な注文を発行したにもかかわらず、それが正しく受け取られず、誤った数量や品質の製品が届く可能性があります。この場合、購買プロセスの不備やコミュニケーションの不足が統制リスクとして挙げられます。
固有リスクに対してのコントロール(統制)を整備することは重要ですが、統制リスクのコントロール(統制)に目を向けてしまうときりがなく、非効率な業務になってしまうので注意が必要です。
調達・購買業務プロセスの一般的なコントロール(内部統制)を参考に業務設計を行いましょう。
・購買規程の整備
購買規程の項目として、総則、購買計画、取引先、発注、検収、仕入れ計上、支払いなど細かく設定し、購買担当者に順守させる必要があります。
・同じ担当者による業務
同じ担当者に長年同じ領域の購買管理を任せていると、取引先との癒着リスク上昇につながります。
具体的には、取引先の営業担当者と自社の購買管理担当者との間で不正取引が起きる可能性があるため、定期的に担当者を変更するのも大切です。
・相見積業務の徹底
複数のサプライヤーに必ず相見積を実施し、サプライヤーの選定は購買部門など別の担当者のチェックを設けることがが効果的です。購買基準として、商品の仕様、サプライヤー、選定条件、購入条件などをRFP(提案依頼書)で明記することも重要です。
(参考)
RFQ・RFI・RFPの違いとは?調達業務での活用方法や登場シーンについて解説
・発注、支払いなど各部門の担当を分ける
職務分掌は、購買管理の不正防止において重要なポイントです。
部門や業務範囲を明確に分けて、なおかつ責任の所在もはっきりさせる体制にする必要があります。
発注部門と検収管理部門の担当者を兼任させない、他部門の情報や管理システムへ容易にアクセスできないよう担当を別々に分けるといった体制を指します。また、発注と検収担当を別々に分けることで、正しい取引が行われているか2回に分けてチェックできます。業務範囲や部門の兼任は、避けることが大切です。
・検収手続きは適正かつ迅速に行う
迅速に検収を行うことで、不正が発生する隙を与えずに支払いまで行うことが重要です。
・3点照合 (3 way matching)
サプライヤーからの請求書が正確であることを確認するため、3つの証憑(注文書、納品書、請求書)が一致していることを確認することを確認します。
・買掛金残高(支払管理)のチェック
買掛金残高をチェックしたり、誰にも書き換えられたりできないような調達・購買管理機能(支払管理機能)を強化することは、不正取引や改ざんの防止につながります。各種書類の作成や発注時には、責任者によるワークフロー承認およびチェック体制を整備することも重要です。
・調達・購買管理システムの利用
上記業務を効率的に実施すること及び自動処理による統制が期待できます。
・財務報告の虚偽表示リスク
・有効でない発注取引が記録されることにより、未発生の仕入及び実在しない仕入債務が計上される。
・入荷品の検収処理が漏れることにより、仕入及び仕入債務の計上が漏れる。
・入荷品の検収処理が適時に記録されないことにより、仕入及び仕入債務が不適切な会計期間に計上される。
・検収処理済みの入荷品の金額の計算を誤ることにより、不正確な仕入及び仕入債務が計上される。
・仕入(仕入債務)データが適切に総勘定元帳データに反映されず、不適切な会計仕訳が計上される。
・仕入返品が適時かつ適切に処理及び記録されないことにより、未発生の仕入及び実在しない仕入債務が計上される。
・不適切な支払処理が行われることにより、仕入債務が過大あるいは過小に計上される。
(参考)
内部統制基準の改訂!調達・購買業務プロセスへの影響とは?
コンサルティングファームやITベンダーが業務プロセス改革を推進するサービスを提供しています。
(参考)
内製でクイックにDXや業務プロセス改革を推進していけるよう、現状業務プロセスの可視化から「あるべき業務プロセスの策定」をトータルで支援するサービスメニュー
(参考)
主要な検討項目
・組織編制、組織構造の見直し
・人材育成プログラム
・業績評価指標
KPIとは「Key Performance Indicator」の略語で、「重要業績評価指標」と訳します。
KPIを活用して調達・購買のパフォーマンスを向上させることができます。
KPIを設定することで、組織の達成状況を定点観測し、目標達成に 向けた組織のパフォーマンスの動向を把握できるようになります。そして、従業員が「今、何をすべきか」「どれだけの成果が必要なのか」を把握できるようになります。
具体的な行動指針や評価目標を示すことで、日々の業務をより効率的に遂行できるようになり、結果として生産性が向上し、ビジネスの成長に貢献できるでしょう。
KPIと似た用語として、KGIがあります。
KGIとは「Key Goal Indicator」の略語で、「重要目標達成指標」と訳します。最終目標が達成されているかを計測する指標のことです。
KPIが業務プロセスを評価基準とするのに対して、KGIは企業全体の最終的な目標数値を指します。
調達・購買管理システムのEDI化率(システム導入サプライヤー数/全サプライヤー数)
企業がEDIシステムを導入しているサプライヤーの割合を示します。
これは、企業とサプライヤーの間で文書やデータを電子的にEDI化率が高いほど、情報の交換が効率化され、誤りや遅延が減少し、ビジネスプロセスが改善されます。
調達・購買管理システムの業務・システム適用率 (システム適用業務数/全業務数)
企業内の業務に対してシステムがどれだけ適用されているかを示します。
具体的には、システムでサポートされる業務の数を全業務数で割った割合です高い業務システム適用率は、効率的な業務処理や情報管理を意味し、企業の生産性向上に留意します。
調達・購買管理システムの機能利用率 (システム利用業務数/システム適用業務数)
業務システム適用率に基づいて、実際のシステムの機能がどれだけ利用されるかを示します。
具体的には、システムでサポートされる業務のうち、実際にシステムを利用している業務の割合です。
高いシステム機能利用率は、投資したシステムの効果的な活用を示し、ROI(投資利益率)を最大化します。
リードタイム
Source-to-pay (S2P:ソーシングから支払い)にかかる所要時間
Procure-to-Order(P2O:商品やサービスの正式な選定に関連した調達から発注)にかかる所要時間
Procure-to-Pay(P2P:商品やサービスの正式な選定に関連した調達から支払い)にかかる所要時間
品目別カタログ購入率(金額比率 / 数量比率 / 種類比率)
品目ごとに相見積やカタログ品の購入割合を金額、数量、種類の視点で分析します。カタログ購入率の評価は、効率的な調達の推進と調達・購買プロセスの合理化に役立ちます。特にカタログ品の利用が増えれば、適切な価格設定と品質の確保が期待できます。
承認要求時間、承認手続き数、処理時間
経費管理プロセスに関する各種指標、経費の効率的な処理と管理を評価します。経費処理のスピードやコンプライアンス適合率の向上は、経費のタイムリーな精算や不正利用の防止に適切です。また、適切な承認フローの設計にも役立ちます。
調達品目数/調達要員
特定の期間内に調達要員が担当した品目数を調達要員の人数で割った値を示します。
調達要員が担当する品目数の適切な割合を把握し、業務負荷や業務の効率性を評価するのに役立ちます。
発注件数/調達要員
特定の期間内に調達要員が行った発注件数を調達要員の人数で割った値を示します。
調達要員が処理する発注件数の適切な割合を把握し、業務負荷や業務の効率性を評価するのに役立ちます。
相見積購入率
複数の業者からの見積りを取得する割合を示す指標であり、一社指定の場合はその理由を問われます。最終的には90%以上の相見積もりが行われることを目指す指標です。相見積もり購入率の向上は、競争を促進し、適正な価格での調達をサポートします。競争が慎重になるため、調達・購買コストの削減が期待できます。
見積回数
金額に応じて見積りを取得する回数を監視し、1回の見積りだけでなく複数回の交渉が行われるかどうかを判断する指標です。見積回数の増加は、交渉の機会を増やし、最終的な価格交渉において有利な条件を導くことができます。また、調達・購買の透明性を高め、ベストプラクティスを共有する記念となります。
カバー率
品目担当者が関与した購入の割合を示す指標であり、関与があった場合には100%とします。カバー率の向上は、適切な品目者の関与を確保し、担当ニーズに適した調達を推進します。行われやすくなります。
平均削減率
いずれの比や初回見積もり価格に対する削減率を示す指標であり、購買部門の目標との比較を通じて削減の進捗状況を評価します。平均削減率は、コスト削減の効果を数値化する上で重要です。部門の目標どれに対してだけ削減できるかを認識し、改善のどちらかを特定します。
開発購買実施対象プロジェクト数
特定の期間内に調達部門が開発購買を実施したプロジェクトの数を示します。開発購買とは、新製品の開発や改良に必要な部品や素材の調達を指し、この指標はその実施範囲を把握するのに役立ちます。
開発購買実施対象品目数
特定の期間内に調達部門が開発購買を実施した品目の数を示します。開発購買には複数の品目が含まれる場合があり、この指標は調達の多様性や範囲を把握するのに役立ちます。
開発購買目標原低額、目標原低率
開発購買における目標原価低減額や率を示します。開発購買では、原価の低減が重要な課題とされることがあり、この指標はその目標を定量化し、追跡するのに役立ちます。
VE/VA提案件数(調達部門)
調達部門が行った価値工学(Value Engineering)や価値解析(Value Analysis)の提案件数を示します。VE/VAは製品やプロセスの改善を図るための手法であり、この指標は調達部門の改善活動の実施状況を把握するのに役立ちます。
VE/VA採用率(調達部門)
調達部門が行ったVE/VA提案のうち、実際に採用された割合を示します。採用された提案の割合を把握することで、調達部門の改善活動の成果を評価するのに役立ちます。
VE/VA提案件数(サプライヤー)
サプライヤーが行ったVE/VAの提案件数を示します。サプライヤーからの提案も重要な改善の源泉となるため、この指標はサプライヤーとの連携や改善活動の進捗を把握するのに役立ちます。
VE/VA採用率(サプライヤー)
サプライヤーが行ったVE/VA提案のうち、実際に採用された割合を示します。サプライヤーからの提案がどれだけ採用されているかを把握することで、サプライヤーとの協力関係や改善活動の成果を評価するのに役立ちます。
VE/VA原低金額
【調達部門】
特定の期間内に調達部門が提案した価値工学/価格価値分析(VE/VA)によって実現した原価低減額の合計金額を示します。VE/VA活動は、製品やプロセスの改善を通じてコストの削減を促進します。
【サプライヤー】
特定の期間内にサプライヤーが提案した価値工学/価格価値分析(VE/VA)によって実現した原価低減額の合計金額を示します。サプライヤーが積極的にVE/VA活動に取り組むことは、両者の共同目標であるコスト削減に貢献します。
集中購買品目数
特定の期間内に調達部門が集中購買を行った品目の数を示します。集中購買は、特定の品目を選択して効率的な調達を行うことを指し、この指標はその実施範囲を把握するのに役立ちます。
集中購買率増減
特定の期間内における集中購買の割合の増減を示します。過去の期間と比較することで、集中購買の進捗や変化を把握するのに役立ちます。
コストテーブルカバー率
【品目数】
調達部門が管理するコストテーブルに含まれる品目の割合を示します。コストテーブルには通常、重要な品目や購買項目が含まれており、この指標はそのカバレッジの程度を把握するのに役立ちます。
【金額】
調達部門が管理するコストテーブルに含まれる金額の割合を示します。コストテーブルに含まれる金額が全体の調達金額に占める割合を把握することで、予算管理やコスト削減の進捗を把握するのに役立ちます。
コストテーブル活用率
調達部門が管理するコストテーブルを活用して調達活動を行う割合を示します。
コストテーブルは調達の基準やガイドラインを提供する重要なツールであり、その活用状況を把握することで、効果的な調達プロセスの推進を評価するのに役立ちます。
見積取得率
特定の期間内に調達部門が見積もりを取得した割合を示します。見積もりの取得は、競争力のある価格の確保や調達プロセスの透明性を向上させるために重要です。
原価ノウハウ整備件数
特定の期間内に調達部門が原価に関するノウハウを整備した件数を示します。原価の把握や分析は、効率的な調達活動や原価削減のために重要な要素であり、この指標はその取り組みの進捗を把握するのに役立ちます。
原価ノウハウ報告会開催回数
特定の期間内に調達部門が原価ノウハウに関する報告会を開催した回数を示します。原価ノウハウの共有や学習は、調達部門内の意思疎通や能力向上に寄与する重要な活動であり、この指標はその実施状況を把握するのに役立ちます。
明細見積取得率
特定の期間内に調達部門が製品やサービスの明細見積もりを取得した割合を示します。明細見積もりの取得は、調達の透明性や競争力の向上に寄与する重要な活動であり、この指標はその実施状況を把握するのに役立ちます。
ティアダウン実施回数
特定の期間内に調達部門がティアダウンを実施した回数を示します。
ティアダウンとは、製品やサービスの原価構造を分析して原価を削減する活動であり、この指標はその実施状況を把握するのに役立ちます。
開発購買実績原低額
特定の期間内に開発購買で実績のある原価低減額の合計金額を示します。開発購買プロジェクトにおいて原価低減が実現されることは、コスト削減や効率改善に寄与します。
集中購買原低金額
特定の期間内に集中購買戦略に基づいて実現した原価低減額の合計金額を示します。集中購買は、大量購買や戦略的なサプライヤー選定を通じてコストを削減することを目指します。
査定原低金額
特定の期間内に品質査定に基づいて実現した原価低減額の合計金額を示します。品質査定によって品質改善が実現され、コストが低減されることが期待されます。
改善指導原低金額
特定の期間内に改善指導活動に基づいて実現した原価低減額の合計金額を示します。改善指導によってサプライヤーのプロセスや品質管理の改善が促進され、コスト削減が実現されます。
企画原価達成率
特定の期間内に予定されていた企画原価に対する実際の原価達成率を示します。企画原価の達成率が高いほど、製品の設計や生産プロセスが効率的であり、コスト削減が達成されていることを示します。
原低金額・調達金額
【対部門経費】
特定の期間内に原価低減活動や調達活動によって実現されたコスト削減額や調達金額を、部門の経費に対してどの程度貢献したかを示します。経費に対する効果的なコスト削減や調達活動の実行を評価するのに役立ちます。
【対調達要員】
特定の期間内に調達要員が担当した原価低減活動や調達活動によって実現されたコスト削減額や調達金額を、調達要員の人数に対してどの程度貢献したかを示します。調達要員の効率性や生産性を評価するための重要な指標です。
開発プロジェクト参画パートナー数
特定の期間内に調達部門が開発プロジェクトに参画したパートナー(サプライヤーや外部の専門家など)の数を示します。パートナーの多様性や適切な選定は、プロジェクトの成果やイノベーションの向上に重要です。
サプライヤー改善指導回数
特定の期間内に調達部門がサプライヤーに対して行った改善指導の回数を示します。改善指導は、品質や納期の改善、原価の削減などを目的とした重要な活動であり、この指標はその実施状況を把握するのに役立ちます。
改善指導対象サプライヤー数
特定の期間内に改善指導を受けたサプライヤーの数を示します。調達部門が改善指導を行う対象となるサプライヤーの数を把握することで、改善活動の範囲や対象を把握するのに役立ちます。
改善指導対象サプライヤーカバー率
特定の期間内に改善指導を受けたサプライヤーの割合を示します。調達部門が改善指導を行う対象となるサプライヤーの割合を把握することで、改善活動の実施状況や効果を把握するのに役立ちます。
サプライヤー監査回数
特定の期間内に調達部門がサプライヤーに対して実施した監査の回数を示します。サプライヤー監査は、品質管理やリスク管理を強化し、サプライヤーとの関係を維持・改善するために重要です。
監査対象サプライヤー数
特定の期間内に監査を受けたサプライヤーの数を示します。監査対象サプライヤー数の増加は、調達部門がリスク管理やコンプライアンスの向上に積極的に取り組んでいることを示します。
監査対象サプライヤーカバー率
特定の期間内に監査を受けたサプライヤーの割合を示します。監査対象サプライヤーカバー率の向上は、リスクの早期発見や品質管理の向上につながります。
サプライヤー数/調達要員
特定の期間内に調達要員が管理するサプライヤー数を調達要員の人数で割った値を示します。
調達要員が担当するサプライヤー数の適切な割合を把握し、サプライヤー管理の効率性を評価するのに役立ちます。
品質管理 無検査率
【品目】
特定の期間内に無検査で調達された品目の割合を示します。無検査率の低下は、品質管理の強化やリスクの軽減につながります。
【サプライヤー】
特定の期間内に無検査で調達されたサプライヤーの割合を示します。無検査率の低下は、信頼できるサプライヤーの選定や品質保証の向上につながります。
一社発注比率
特定の品目群において一つのサプライヤーからのみ発注している割合を示します。一社発注比率が高い場合、サプライヤーリスクの集中化や競争の不足が懸念されるため、適切なサプライヤーポートフォリオの構築が求められます。
納入品質不良率
特定の期間内に納入された製品や材料の中で、不良品や欠陥品の割合を示します。納入品質不良率の低下は、製品の品質向上や生産効率の向上につながります。
納期遵守率
特定の期間内に納期通りに製品や材料が供給された割合を示します。納期遵守率の向上は、生産計画の安定性や顧客満足度の向上につながります。
納期遅延率
調達部門が供給チェーンのスムーズな運用を確保し、納期のタイムリーさを評価するための指標です。
納期遅延率を理解することで、適切な対策を講じてリスクを考慮することができます。また、顧客満足度を向上させ、ビジネスパートナーとの関係を強化します。
欠品率
特定の期間内に製品や材料が在庫不足で欠品した割合を示します。欠品率の低下は、生産計画の安定性や顧客満足度の向上に寄与します。
原低率
特定の期間内に原価低減活動によって実現されたコスト削減額の割合を示します。原低率の向上は、企業の収益性や競争力の向上に貢献します。
サプライヤー倒産件数
特定の期間内にサプライヤーが倒産した件数を示します。サプライヤー倒産は調達リスクを引き起こし、生産停止や供給不足などの問題を引き起こす可能性があります。
業務監査指摘件数
特定の期間内に業務監査で発見された問題や指摘の件数を示します。業務監査指摘の解決は、プロセスの改善やリスクの軽減に貢献します。
下請法対象サプライヤー数
特定の期間内に調達部門が下請法の対象となるサプライヤーの数を示します。下請法対象サプライヤーは、公正な取引条件の確保や中小企業支援の観点から特別な取り扱いが求められる重要な取引相手です。
下請法対象サプライヤー率
特定の期間内に調達部門が下請法の対象となるサプライヤーの割合を示します。下請法対象サプライヤー率の向上は、公正な取引環境の確保や企業の社会的責任の履行に貢献します。
環境負荷物質把握率
特定の期間内に調達部門が取り扱う品目のうち、環境負荷物質の把握が適切に行われた割合を示します。環境負荷物質把握率の向上は、環境保護や持続可能な調達の促進につながります。
価格未決発注数
特定の期間内に価格が未確定のまま発注された件数を示します。価格未決の発注は不透明性を生み出し、予算の超過や紛争の原因となる可能性があります。
検収遅延数、支払遅延数
特定の期間内に検収または支払いが遅延した件数を示します。検収や支払いの遅延はサプライヤーとの信頼関係を損ない、取引の円滑な進行を妨げる可能性があります。
法令対応監査不具合件数
特定の期間内に法令対応監査で発見された不具合の件数を示します。法令遵守の不備はリスクを引き起こし、法的問題や信頼性の低下を招く可能性があります。
環境負荷規制遵守率
特定の期間内に環境負荷規制に適合したサプライヤーの割合を示します。環境規制への適合は企業の社会的責任を示し、環境への影響を最小限に抑えることに貢献します。
調達倫理規程通知率
特定の期間内に調達部門がサプライヤーに対して調達倫理規程を通知した割合を示します。調達倫理規程通知率の向上は、誠実な取引関係の構築や倫理的な取引活動の促進に役立ちます。
サプライヤー監査回数
特定の期間内に調達部門がサプライヤーに対して監査を実施した回数を示します。サプライヤー監査は、サプライヤーの適合性やリスク評価を行うための重要な活動であり、品質やコンプライアンスの向上に寄与します。
監査対象サプライヤー数
特定の期間内に調達部門が監査を実施したサプライヤーの数を示します。監査対象サプライヤー数は、監査の範囲やカバレッジを評価し、リスク管理や品質管理の効果を把握するのに役立ちます。
監査対象サプライヤーカバー率
特定の期間内に調達部門が監査を実施したサプライヤーの割合を示します。監査対象サプライヤーカバー率の向上は、監査の効率性やサプライヤーリスクの評価の網羅性を高めます。
CO2排出削減率
企業やが取り組む環境保護に関連しています。CO2排出削減率は、ある期間内におけるCO2排出量の削減率を示します。
例えば、1年間で企業が取り組む比10%のCO2排出削減を達成した場合、そのCO2排出削減率は10%になります。このKPIは、企業が持続可能なビジネス実践を追求することとして重要です。
CSR調達アンケート実施率
CSR(Corporate Social Responsibility、企業の社会的責任)調達アンケート実施率は、プロセス上サプライヤーや取引先企業に対して実施されるCSRに関するアンケートの実施率を示します。
企業が持続可能な調達プラクティスを推進し、サプライヤーの社会的責任に焦点を当てることを目的としています。
グリーン調達対応サプライヤー率
特定の期間内に環境に配慮した調達プロセスを実践するサプライヤーの割合を示します。
グリーン調達対応サプライヤー率の向上は、企業の環境負荷の軽減やCSR(企業の社会的責任)の強化につながります。
グリーン調達率
特定の期間内に環境に配慮した製品やサービスを調達した割合を示します。
グリーン調達率の向上は、企業の環境への貢献度を高めることにつながります。
労働・人権対応サプライヤー率
特定の期間内に労働条件や人権を尊重するサプライヤーの割合を示します。
労働・人権対応サプライヤー率の向上は、企業の社会的責任を強化し、サプライチェーン全体の人権保護に貢献します。
調達は、組織の収益性と戦略的成長を促進する上で極めて重要な役割を果たします。
しかし、効果的な管理手段がなければ、調達プロセスは非効率的になり、エラーが発生しやすくなり、財務上の不規則性の影響を受けやすくなります。
包括的な管理システムを確立することにより、調達担当者は、活動が組織の目標と一致し、リソース使用率を最適化し、リスクを最小限に抑えることを確認できます。
調達・購買管理システムは、情報の一元管理、業務効率化、内部統制の強化といった利点があります。また調達・購買管理以外のシステムと連動することで、法令への対応のほか、社内の仕組みを一気に改善できるのがメリットです。
具体的な機能を紹介します。
購買管理機能には、以下の8つがあります。