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購買業務を効率化するためには、まずは課題を見つけることが重要です。
そして、その課題を解決できる方法を検討するとよいでしょう。
本記事では購買業務の効率化を目指す企業の方向けに、購買業務の効率化を進めるための手順を4ステップでご紹介するほか、課題を解決して改善するためにできることについて説明します。
また、業務効率化に便利な購買システムの機能についても解説しています。
どのような効果が期待できるかについても触れているため、購買システムを利用した業務効率化のイメージがわかない方はぜひ参考にしてください。
購買業務において生じやすい課題は、主に以下の2つです。
・不要な手間・不安が発生している
・情報が共有されていない
もしこのような課題がある場合は、原因について詳しく調べましょう。
原因と課題がわかれば、購買業務効率化につなげられます。
なお、原因と課題を調べるには、従業員へのアンケート調査がおすすめです。
匿名にすれば回答しやすくなるため、現場の生の声を聞きやすくなります。
1つ目は、不要な手間・不安が発生していることです。
原因としては、以下のことが考えられます。
・部署ごとにそれぞれWebや書式で発注したり、取引先を選定したりするなどの重複する業務を行っている
・メール・電話・FAXなど、非効率な方法でのやりとりをしている
・紙媒体での手続きを前提とした仕組みが残っている(押印など)
・部署ごとに決済方法が異なる
・毎回サプライヤーへ相見積もりをしている
このように文章化すると、業務フローにおいてどの点が問題であることがわかりやすいです。
業務効率化のために原因と課題を探すためには、このように文章化するとよいかもしれません。
2つ目は、社内で情報が共有されていないことです。
その原因には、以下のようなことが考えられます。
・購買実績が可視化されておらず、購買先のデータなどが属人化している
・部署ごとにおのおの個別に商品を発注している
「報連相は社会人の基本」ともいいますが、情報の共有も似たようなものです。
情報が共有されなければ、業務の重複や誤発注・在庫過多などのトラブルが発生する可能性もあります。
また、情報共有ができておらずトラブルが発生すれば、取引先から「あの会社は内部で情報共有ができていないから対応が悪い」と低く評価されてしまう可能性もあるでしょう。
会社の信頼にも関わる可能性があるため、大きな懸念点であるといえます。
購買業務効率化の手順は、以下の5ステップで進めます。
「業務効率化のために何から始めればよいかわからない」
「うまく業務効率化が進められない」
このようにお悩みであれば、ぜひ参考にしてください。
まずは購買業務における課題を見つけます。
課題を明確にすることが、効率化のスタートになります。
現状を分析し、何が業務効率を妨げる課題になっているか探しましょう。
購買業務における課題には、以下のようなものがあります。
・購買のフローが可視化されていない
・情報共有がされず業務が重複している
・購買業務が属人化されている
・非効率なやり方で工数が増え時間がかかっている
購買業務効率化を実現するためには、具体的な目標設定が不可欠です。
目標設定がよくわからない、効果的な目標設定方法を知りたいという方に向け、購買効率化における目標設定について、詳細なガイドを提供します。
例えば、以下のような目標を設定しましょう。
あらかじめ目標を設定しておくことで、目標に向けた取り組みに賛同しやすくなるほか、取り組み内容に対する理解も深まるでしょう。
・方向性の設定
・進捗状況の管理
・部署間の目標の統一
・定期的な見直し
解決策として取り組むべきポイントは、以下のとおりです。
・部署ごとの管理ではなく、サプラヤーの情報や見積もり情報を一元管理する
・購買や見積もり依頼を一元化する
・電子申請・承認システムを導入することで紙媒体での手続きを廃止する(ただし、企業内での反発が起こりやすい項目であるため、対応可能な範囲で)
・システムを連携して、システム間の手入力を削減して、データ処理を効率化する
・Excelや情報管理ツールなどを使用して、情報を見える化する
・業務のプロセスを標準化(部署や担当者によって異なる発注方法・決済方法を一本化する)
購買業務における課題に合わせて、取り組むべきポイントを確認しましょう。
一斉に取り組むのが難しい場合は、効果・実現可能性・緊急性を判断したうえで、優先順位を決めて取り組みを行ってください。
基本的には、情報の見える化が優先されます。
業務効率化を実現するには、現場に新しい体制やシステムを浸透させる必要があります。
周知するだけでは対応しきれないこともあるため、説明会や研修を行うケースも少なくありません。
説明会や研修を行う際は、タイミングと対象者・人数を検討したうえで実施しましょう。
例えば、繁忙期に説明会を開催する場合、業務負荷が高い状態のため従業員の不満につながるかもしれません。
また、大人数に向けて説明・研修するよりも、少人数に対して行った方が理解が深まりやすいこともあります。
最後に、構築した新しい体制や導入したシステムの評価をしましょう。
業務効率化のための新体制やシステムの浸透だけで完了とはいえません。
その効果を評価することにより、さらなる効率化が期待できます。
例えば、購買システムの機能を評価したうえで必要な機能を追加すれば、さらに効率よく業務を進められるでしょう。
業務効率化には現場の声が欠かせないため、システム導入後も購買業務担当者を対象に、定期的にアンケートを実施してもよいかもしれません。
購買業務を効率化させるためにできる具体例を6つご紹介します。
6つのうちどれかを参考にしたり、複数の具体例を参考に業務効率化に取り組んだりしてもよいでしょう。
・業務フローの作成・可視化
・購買実績の可視化
・発注方法の統一
・紙媒体への依存からの脱却
・部署間の連携強化
・購買管理システムの導入
具体的な導入事例が知りたい方は、「四條畷市の導入事例」もご覧ください。
調達関連業務にクラウド型購買システムを導入した結果、事業者と職員の利便性が向上した事例です。
1つ目は、業務フローの作成と可視化です。
まず、現状での業務フローの分析を行います。(As-Is分析)
Excel、PPT、BPMツールを利用し、現状の業務フローを可視化することで問題点を明確化しましょう。
ただし、やりすぎると工数が増えてしまいます。
そのため、ポイントを絞って業務パターンを比較、グルーピングしましょう。
次に、ECRFの実施です。(E取除く、C統合する、R取り替える、S簡素化する)
重複している業務を取り除いたり統合したり、別のものに取り換えたり簡素化したりします。
そして、今後のあるべき業務フローのTo‐Beモデルを作成しましょう。
To‐Beモデルとは「あるべき姿」のことです。
業務フローのあるべき姿を策定し、必要に応じて現状調査や分析を行いながら、業務フローの作成と可視化に取り組みます。
このような手順によって、BPRを目指しましょう。
BPRとは、Business Process Re-engineering(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の頭文字を取ったものです。
日本語では「業務改革」と訳されます。
BPRについて詳しく知りたい方は、「調達・購買DXによるビジネスモデル変革(PX Procurement Transformation)の実践方法とは?」をご覧ください。
2つ目は購買実績の可視化です。
業務の標準化や情報収集・分析により、可視化を進めます。
・購買の標準化:発注フォーマットやデータ項目を統一し、データを比較しやすくしてから、同一の基準で比較する
・情報収集:発注情報だけではなく、見積・納品・支払いなど購買に関わるすべての情報を収集する
・収集と分析体制の構築:サプライヤーだけでなく、市場情報も併せて収集して、深く分析できる土台を整える
また、多角的に情報を分析することも必要です。
例えば、以下のような方法で分析します。
・部署・担当者・品目・サプライヤーごとに購買金額や件数を分析する
・リードタイムを分析する(アイテム別・サプライヤー別)
これらを継続的に行うことで、購買におけるデータが可視化されます。
さらに、継続的にリサーチをすることで、精度の高い情報が得られるでしょう。
3つ目は、発注方法の統一です。
発注方法が取引先によって分けられており統一されていない場合、事務手続きが複雑になって効率が落ちてしまいます。
また、属人化しやすく引き継ぎが難しいなどの問題も発生してしまうため、発注方法の統一がおすすめです。
発注方法を統一するには、発注に使う書式の様式の統一化が必要です。
書類の様式を統一するだけでも、事務手続きが簡単でわかりやすくなります。
3つ目は、紙媒体への依存からの脱却です。
言い換えれば、ペーパーレス化を推進します。
企業によってはペーパーレス化が進んでおらず、紙媒体で書類を作成したり資料を保存したりしているでしょう。
しかし、いつまでも紙媒体に依存していると業務が非効率になってしまいます。
また、紙媒体の場合は資料を探すのに手間がかかったり、保存していたものが劣化したりして見つけられない・読めないなどの可能性もあるでしょう。
情報漏洩や紛失の懸念もあるため、システムを活用したデータ化がおすすめです。
データ化して一元管理すれば誰でも簡単に確認できるため、属人化の防止にもつながります。
5つ目は、部署間の連携強化です。
部署間の連携がうまくできていないことも、業務効率が落ちる原因の1つです。
連携を強化すれば、重複発注や必要数量の予測が容易になり、業務効率の向上が見込めます。
部署間の連携を強化するには、オフィスの配置換えのほかに情報共有が簡単にできるシステムを利用するのも1つの手段です。
複数の部署間での連携強化が必要なのであれば、部署関係なく直接顔を合わせてコミュニケーションができる機会や場を作り出すのもおすすめです。
コンプライアンスを意識しつつ、部署の垣根を越えて交流できるよう工夫しましょう。
6つ目は、購買管理システムの導入です。
アナログ的な対策だけでは業務効率化が望めない場合、購買管理システムの導入がおすすめです。
購買管理システムには、購買業務を効率化させるための機能が複数搭載されています。
そのため、業務フローの工数を減らす場合や書類の様式を簡単に統一する場合などにも使えます。
業務効率化のために購買管理システムの導入を検討している方のために、購買業務に役立つ便利な機能について詳しく説明します。
機能について理解し、システム導入後のメリットをイメージできるようにしましょう。
調達管理とは、見積や契約の管理をする機能です。
この機能を利用すれば、従来の電話・メール・FAXでの見積もり依頼業務を一新し、属人化が防げます。
また、見積もりのノウハウを社内に浸透させることもできるため、引継ぎも容易です。
購買管理は、発注から検収までを管理する機能です。
電話・メール・FAXなどで行っていた煩雑な発注業務も、データ化することで業務効率化と工数の削減ができます。
そのほか、発注書や検収書の作成、納品の管理も可能です。
発注業務にて紙媒体を使用していた場合は、購買管理機能を使用してデータ化することにより、業務の効率化とペーパーレス化を目指せます。
カタログ購買とは、オリジナルのカタログ商品を登録することで、商品の検索から支払いをワンストップで行える機能です。
よく購入する商品を登録しておけば簡単に発注できるほか、使わない商品を非表示にすることで不正の防止にもなります。
支払い管理は、請求や決済を管理する機能です。
取引先からデータで請求書を受け取り、支払い依頼や会計計上、金融機関への支払処理ができます。
従来のアナログ的方法と比べると、約90%の業務負荷の削減が期待できるでしょう。
そのため、支払い業務のフローが課題に挙がっている場合は、支払管理機能が搭載されているシステムがおすすめです。
なお、システムによっては金融EDIに対応しているものもあります。
EDIとは、企業や行政機関の取引で発生する帳簿を、専用回線やインターネットを用いて電子データとして自動的にやり取りする仕組みを指します。
手入力が不要になるためミスが発生しにくい、人件費・印刷費・発送費などのコスト削減、短時間で処理できることによる業務効率化が期待できます。
EDIの導入を検討している方は、対応している購買管理システムを選ぶとよいでしょう。
申請・承認は、承認案件の一覧を管理できる機能です。
社内で承認が必要な場合、従来では紙の書類を直接本人の元まで届ける必要がありました。
しかし、この機能を利用すれば、すぐに申請と承認が可能になります。
そのため、申請・承認のために書類を印刷したり、承認待ちの時間が長時間発生したりすることもありません。
また、一覧で確認することにより申請・承認漏れを防止することもできます。
購買管理システム導入時は、以下の2点に気をつけましょう。
気をつける必要がある理由は、導入しても社内に浸透しにくい場合は使いにくく業務効率がかえって落ちるほか、取引先が対応不可とすることで導入した意味がなくなってしまうことがあるからです。
汎用性の高い購買管理システムがある一方で、特定の業界に特化したシステムもあります。
そのため、自社の購買プロセスに合ったものを導入することが必要です。
例えば小売業の場合、購買計画を立てるために在庫状況を把握する必要があります。
在庫過多や不足を生じさせないためにも、在庫管理システムと連携しやすいシステムを選びましょう。
そのほか、現在使っているシステムがあればそれらと連携できるシステムを選んでください。
連携システムのデータを購買管理システムで活用すれば、省力化・効率化につなげられます。
業務効率化を進めるためには、書類の様式や発注方法の変更を行う必要があります。
しかし取引先が変更に対応しない場合は、業務効率化は遠のいてしまうでしょう。
そのため、仕入先との良好な関係作りはとても重要であるといえます。
業務効率化のために様式や発注方法を変更した際に、協力が得られやすいからです。
もし良好な関係を築かないまま一方的に書類の様式や発注方法の変更を求めると、対応不可となってしまいこれまでと同じ業務フローに戻ってしまうかもしれません。
そうなると、導入したシステムは活用されず、無駄なコストがかかってしまうでしょう。
仕入先と良好な関係を築くには、仕入先を選ぶ時点で協力が得られやすいかを判断基準にして選定してもよいです。
対応がよく協力的な業者であれば、書類の様式や発注方法の変更をお願いするときだけでなく、トラブル発生時や非常時などにおいても協力が得られるでしょう。
購買の業務効率化を目指すには、まずは現状を分析して課題を明確化することが必要です。
現状の分析ができたら目標を設定し、業務改善方法の具体的な内容を検討しましょう。
アナログ的な対策では業務効率化が望めない場合、購買管理システムの導入がおすすめです。
業務効率化を助ける機能が多く搭載されており、従業員の負担軽減やコスト削減などに役立ちます。
気になる方は公式サイトにて資料をご請求いただくか、お気軽にお問い合わせください。