intra-mart Procurement Cloud
BSMとは「Business Spend Management」の略で、その名前の通り「企業の支出管理」のことを指し、今では当たり前となった「CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)」とは対をなします。
BSMは「企業の支出管理」をするだけにとどまらず、支出を管理されることによるコスト削減、ガバナンス強化や供給リスク管理など、様々な付加価値をもたらします。
売上の最大化を図るCRMは、今ではどの企業も導入しているのが当たり前ですが、それと並んでBSMも企業にとっては重要な役割を果たすものになっています。
「会計データや購買データを用いて、企業の支出を管理・適正化する一連のプロセス」として、昨今では特に間接材(主に一般販売管理費に含まれる勘定科目)を対象とした管理システムが注目を集めています。
現在日本でサービス提供を行っているのは主に「Coupa」と「SAP Ariba」の2社となります。「Coupa」は2006年にアメリカで設立され、2017年に日本に上陸して以降事業を展開しています。「SAP Ariba」は1996年にアメリカでAribaとして設立され、2012年にドイツのソフトウェア会社SAP SEの子会社となって現在の社名になりました。日本には2000年に上陸し、以降事業を展開しています。この2社以外にも日本への進出はまだですが、「GEP」や「Jaggaer」等の企業があり、いずれの会社も歴史が長いとは言えませんが企業価値や売上を急激に伸ばしています。
既に導入している企業としては、三菱重工・アサヒ飲料・P&G・sales force・BMWグループ・Uber・コニカミノルタ・ユニリーバなどがCoupaを、JAL・富士フイルム・アサヒグループホールディングス・NEC・ヤマハ発動機・荏原製作所・NTT DATA Services・横浜ゴム・日東電工などがSAP Aribaを既に活用しています。管理すべき支出が多く、資金力のある大企業が中心となってBSMの導入を行っているというのが現状ではありますが、導入ハードルを極力抑えたサービスも登場してきており、これから中堅・中小企業であってもBSMを導入するというのが当たり前になっていくと考えられます。
調達・購買部門が、効率的かつ効果的な購買戦略を展開するためには、様々な指標を重視してデータを分析し、最適な判断決定を行います。
主要な購買指標について説明し、それぞれの指標がどのように戦略立案や意思決定に活用されるかを解説します。
これらの購買指標を継続的にモニタリングし、適切な改善策を実施することで、購買部門は効率調達プロセスを確立し、企業の成果に貢献することができます。
複数の業者からの見積りを取得する割合を示す指標であり、一社指定の場合はその理由を問われます。最終的には90%以上の相見積もりが行われることを目指す指標です。相見積もり購入率の向上は、競争を促進し、適正な価格での調達をサポートします。競争が慎重になるため、調達・購買コストの削減が期待できます。
金額に応じて見積りを取得する回数を監視し、1回の見積りだけでなく複数回の交渉が行われるかどうかを判断する指標です。見積回数の増加は、交渉の機会を増やし、最終的な価格交渉において有利な条件を導くことができます。また、調達・購買の透明性を高め、ベストプラクティスを共有する記念となります。
品目担当者が関与した購入の割合を示す指標であり、関与があった場合には100%とします。カバー率の向上は、適切な品目者の関与を確保し、担当ニーズに適した調達を推進します。行われやすくなります。
いずれの比や初回見積もり価格に対する削減率を示す指標であり、購買部門の目標との比較を通じて削減の進捗状況を評価します。平均削減率は、コスト削減の効果を数値化する上で重要です。部門の目標どれに対してだけ削減できるかを認識し、改善のどちらかを特定します。
全発注金額または発注回数に対する契約発注分の割合を示す指標です。契約有率の向上は、契約価格や納期をコントロールし、リスクを軽減します。また、長期的な関係構築にも検討します。
経費管理プロセスに関する各種指標、経費の効率的な処理と管理を評価します。経費処理のスピードやコンプライアンス適合率の向上は、経費のタイムリーな精算や不正利用の防止に適切です。また、適切な承認フローの設計にも役立ちます。
調達・購買金額を品目、仕入れヤ、拠点別に分析することで、調達・購買の特徴や傾向を把握します。調達・購買金額の分析は、調達・購買のパフォーマンスを把握、コスト管理や効果的な調達・購買戦略の基本に役立ちます。 特に重要な目や仕入れを特定し、最適な戦略を実施するための情報を提供します。
品目ごとに相見積やカタログ品の購入割合を金額、数量、種類の視点で分析します。カタログ購入率の評価は、効率的な調達の推進と調達・購買プロセスの合理化に役立ちます。特にカタログ品の利用が増えれば、適切な価格設定と品質の確保が期待できます。
視点品目の拠点別を比較し、集中購買対象を特定します。
個別の品目単位での価格差を分析します。サプライヤセーブ比較により、価格差が大きい品目やサプライヤを特定し、コスト削減の機会を見つけます。価格交渉や新たな供給の探索に役立ちます。
代理店を活用することによる大きな効果が期待できる品目を特定します。
調達戦略(品目戦略)の立案に先立ち、現状の調達状況や調達構造、近年のコストダウン状況を把握し、コストダウン目標や重点的にコストダウンすべき品目を検討・抽出する。
①全社・事業における調達状況を確認
・売上対購買金額比率
全社・事業での売上に対する購買金額の推移を確認し、タゲット事業や全社・事業の目標値
(目標比率)を策定する。
・売上原価対購買金額比率
全社・事業での売上原価に対する購買金額の推移を確認し、ターゲット事業や全社・事業の目標値
(目標比率)を策定する
②直近の調達構造を確認
・品目分類別購買金額(パレート)
事業における購買金額上位の品目が特定する。
・品目分類別購買金額(円グラフ)
ハイレベルな品目からのドリルダウンを行う。
③経年での推移を確認
・品目分類別購買金額(折れ線)
品目の購買金額の経年推移を確認し、金額の変動(上昇、横ばい等)からタゲット品目のあたりをつける。
事業・拠点を跨って調達している品目の調達業務を集中化し、スケールメリットを活かしたコストダウンを実践する。
①各事業・拠点における品目毎の調達状況を確認
・購買拠点別品目分類別購買金額
各拠点の総購買金額や調達構造(購買金額の多い品目)を確認する。
②集中購買の余地が高い品目を抽出
・品目分類別購買拠点別購買金額
品目ごとの事業・拠点横断での購買金額を確認し、ターゲット品目のあたりをつける。
③集中購買可能な品目、サプライヤーを特定
・購買拠点別単価比較
ターゲット品目の品目(品番)の拠点別単価を確認し、集中購買対象を特定する。
品質、コスト、デリバリーおよびリスクを考慮した、最適なサプライヤ発注方針を策定する。また、適宜発注方針との整合を確認し、起用サプライヤ、発注方針をコントロールする。
①品目毎にサプライヤの起用状況を確認
・品目分類別サプライヤ数
品目毎の購買金額とサプライヤ数を確認。金額、サプライヤともに多い品目を更に深堀する。
②各サプライヤに対する調達状況を確認
・品目分類別サプライヤ別購買金額
品目別のサプライヤの発注比率(購買金額比率)を確認する。
③サプライヤの能力、自社との力関係を検証し、適正化
・自社シェア・サプライヤ依存度分析
既存サプライヤへの発注を減らし、別のサプライヤを開拓することで、依存度を上げ、既存サプライヤーへの交渉力を高める。
カタログ品を設定することで、仕様の適正化とスケールメリットを活かしたコストダウンを実践する。
また、定期的にカタログ品の使用状況をモニタリングし、利用者への浸透・定着を図る。
①カタログ品を設定する品目を抽出
・品目分類カタログ品比率-品目数
購買金額が大きく、カタログ品比率が比較的高く、品目数のカタログ品比率が高く、品目数が多い固定抵抗を深堀する。
②対象のスペックのバラつきと集約可否を検証
・スペック別品目数
主要スペックをもとに同一仕様で複数種類の部品の共通化やカタログ品化を検討する。
③調達実績をもとにカタログ品の使用状況をチェック
・品目分類別カタログ品比率(金額比率)
カタログ品がどのくらい使用されているか(金額比率)を確認する。
前述の国外で開発されたBSMサービスを導入しようとすると莫大な費用が掛かってしまうことから売り上げ規模の大きい会社しかBSMを実現できませんでした。
NTTデータイントラマートは日本の企業も安価にBSMを実現するため、intra-mart Procurment Cloud(クラウド型購買システム)を提供しています。
intra-mart Procurment Cloudには以下の機能がついており、企業の支出に関する全ての要素をカバーすることが可能です。